第43章 FFHI Ⅶ〈朝日奈 乃愛〉
皆ご飯も食べ終わって、もう一度会議室に戻ってきた。三時くらいまでやったら、なんか楽しい事やりたいなぁ。あ、トランプ大会とか面白そう。
『皆ー!三時まで勉強したら楽しい事企画してるから、三時まで頑張ろー!』
「じゃあ、残り四人連れてきた方が良いんじゃないか?」
『確かに。LINEで呼び掛けてはみるけど、来なかったらアテがある人は連れてきてね!』
「俺は円堂を連れてくるよ」
「じゃあ俺は風介だな」
「俺は飛鷹を連れてこよう」
「じゃあ、僕が綱海君を連れてくるよ」
取り敢えずアテがある人はいるみたいだから、安心して大丈夫みたい。風丸君が円堂君、南雲君が涼野君、鬼道君が飛鷹君、吹雪君が綱海君を連れてきてくれるそうなので、まぁ大丈夫でしょ。
「乃愛、此処教えてくれ」
『どれどれ…此れは張力と浮力、そして重力の釣り合いの式だと思うんだけど…』
「ρvgを使うのか?」
『ううん。多分使えないよ。張力と重力が分かるはずだから、重力から張力を引けば浮力が出るんじゃない?』
「成る程」
『後は修也の力で解けるはずだよ。頑張れ』
一応二年次からは物理を取る事にしている。医者志望なら物理を取ったほうが良いらしい。実際生物そんなに好きじゃないし…。
「円堂達から連絡は来たか?」
『うーんと…まだ。既読すらついてないね。そろそろお迎え要請しよっか』
「そうだな」
『さっきのアテがある人!そろそろ迎えに行ってもらって良いですかー?結構探していなかったら、戻ってきて良いよ!』
「分かった。それじゃあ行ってくる」
四人が会議室から出て行った。ノートを閉じてペットボトルの水を飲んだ。そうだ。今の内にトランプ持ってこよう。
『ちょっと行ってくる』
「俺も行く」
『トランプ取りに行くだけだよ?』
「行く」
『はいはい』
全く、これと言ったら曲げないんだから。ま、嫌いじゃないけど。
『じゃ、行こっか』
「ああ」
席を立って会議室を出た。こんな事もあろうかと、ちゃんと鞄の中にトランプを忍ばせておいた。盛り上がると思って持ってきて正解だったと思う。人数多い事は分かってたからツーセット入ってるものを持ってきた。これで一人少なくとも6枚は持てるはずだ。
「用意周到だな」
『でしょ?褒めてくれても良いよ』
「えらいな」
『ちょ、ん…』
褒めてもらうだけで良かったのに…。キス…されちゃった…。