第41章 Bath Panick!〈櫻小路 椿姫〉
脱衣所に入ると、それぞれに籠の中に服を入れて脱ぎはじめた。
「星羅、脱ぐの速くない…?」
「えへへ…」
確かに驚異のスピードだ…。既にバスタオルを巻いてもう入る準備はオッケーみたい。
「私先に入ってるね」
『うん』
ハーフアップのバレッタを外して籠の中に入れた。これは一番大切なものだ。明王君がくれた、誕生日プレゼント。真っ赤な椿のバレッタ。
「それ、もしかして不動君に貰ったの?」
『うん、誕生日に貰ったの』
「良かったね。凄く似合ってるよ」
『ありがとう』
バスタオルを巻いて、露天風呂の扉を開けた。
『うわぁ…広い…』
「何言ってんの。椿姫だってお嬢様なんだからこれくらい慣れてるでしょうが」
『そうだけど…』
「ま、良いや。先に身体とか全部洗っちゃおう」
4人並んで先ずは髪を洗う。私の髪はすごく長いから洗うのが大変。ケアだって欠かしてないし、その分、明王君に綺麗だって言って貰えるなら頑張れる。一回も言ってもらえた事は無いけど…。
「気になってたんだ。椿姫ちゃんってその長い髪如何やってケアしてるのかなって」
『実はね、髪の洗い方に順番があるの』
「そうなの?」
『うん。まずはリンスから』
「え、リンスって後からじゃ無いの?」
『私の場合、リンス、シャンプー、リンスの順番で洗ってるんだ』
「へぇ…今度真似してみよ」
実際、これで凄い艶々になる。後はオイルを塗ったりとかも色々あるけど、手軽に出来るのはこんな感じかなぁ。
「ぃよーし、入ろー!」
『なんか、緊張…』
「え〜なんで…?」
『いや、なんかこう、言葉に表せない謎の緊張が…』
恐る恐る足先を湯船に沈めた。お湯が適温で凄くリラックスできそうだ。
「はぇ〜きもちぃ…」
「だから婆ちゃんやめなって」
「これがデフォルトだも〜ん」
「そういえばさ…星羅ってこの中で一番胸おっきくない?」
「へっ⁉︎」
「いや、椿姫ちゃんも負けてないよ…!」
『えっ…えっ⁉︎』
「どぉ〜れ、ちょっと揉ませてみぃよ」
乃愛ちゃんのワシワシという手の動きが迫ってくる。咄嗟に胸元を隠した。
「よし、瑠璃、行け!」
「らじゃ〜!」
『へっ、な、何⁉︎』
瑠璃ちゃん、意外に握力強い…!万歳状態にさせられ、乃愛ちゃんの手が私の胸を包み込んだ。
『ひゃあっ…!』
「え、めっちゃマシュマロ!」
「ふむふむ。これは…」