第40章 FFHI Ⅴ〈綾織 星羅〉
こういうのは綱海さんとかが言ったらあんまり効果発揮しないんだろうなぁ…。
『あの…有人君、食べる?』
「良いのか?」
『私にはちょっと量が多くて』
「なら貰おう」
美味しそうに食べてくれている姿を見るとそれだけでにやけてしまう。だって、自分達が作った料理を食べて美味しいって言ってもらえて、こんなに嬉しい事なんて無いんだから。
「お前、お嬢様の割に結構料理出来んのな」
『私、元一人暮らしだから』
「星羅が独り身になったから、父さんが後見人となって面倒を見てくれているんだ」
『不動君も割合に出来るみたいでちょっとびっくりしたよ』
「俺はサバイバル術はちゃんと身に付けてんだよ」
へぇ…意外…。サバイバル術習得してるんだ…。
「何だよ…」
『意外だなぁって』
「るせぇ」
照れながら去っていく所をみると、やっぱり褒められ慣れてないのかな…?
『私、片付けしてくるね』
「ああ」
片付けも3人でテキパキと終わらせて部屋に戻った。先にお風呂入りに行こうかな。露天風呂になってるらしいし、女子皆誘って一緒に行こうかな。
『乃愛ちゃん、瑠璃ちゃん、椿姫ちゃん。一緒にお風呂行かない?』
「良いよー!行こー!」
「はーい」
「わ、私初めて…!」
皆でお風呂なんて、確かに初めてかも。昔は、お父さんやお母さんと一緒に温泉に行って、一緒にコーヒー牛乳飲んで…楽しかったなぁ。
「もう既に男子居たりしてね」
「まぁ、別に居ても良いけど…」
『あはは…』
最近切ってない髪は腰位にまで伸びていた。でも、この中で一番長いのは椿姫ちゃんかな。あんなに長い髪、いつも如何やってケアしてるんだろう。因みに、椿姫ちゃんの髪は床には付かないけど、まぁ大体脹脛位。
「昨日気付いたんだけどさ、ここちゃんと牛乳売ってるんだよね」
『えっ…そうなの?』
「ほら、これ」
『本当だ…小さいから気付かなかった…』
「ちゃんと種類も充実してる…。普通の牛乳に、コーヒー牛乳、それにフルーツ牛乳まで…」
『本当だ…!』
コーヒー牛乳、また飲めるんだなぁ…。やったぁ…。
「あれ、星羅ちゃん嬉しそう。どうかしたの?」
『私、コーヒー牛乳大好きなの』
「良かったね。毎日飲めちゃうよ」
『ま、毎日じゃなくて良いかなぁ。偶に位で丁度良いよ』
「そうだ、早く行こ。さっさと入ってさっさと寝たいし」
よし、戦闘準備…。