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Break! 【イナズマイレブン】

第32章 Fight! 〈基山 ヒロト〉


佐倉 双葉という女の子から連絡を受け、東雲邸だと思われる所に来た。まさか、直接乗り込む気では無いと思いたい。

「紹介する。此処にいるのが心の怪盗団、BLACK ROSEのメンバーだ」

雨宮君に紹介された。何故か黒い猫も一緒にいる。まさかこの猫まで一緒とは言わないだろう。

「行くぞ」
「おう!」

何をするつもりなんだろうか。いきなり視界が歪んで、反射的に目を閉じる。もう一度開けると何となく先程より禍々しい雰囲気の様な気がする。

「オマエにはまだ紹介してなかったな。此処はさっきの現実世界と違う場所だ。敢えて言うなら認知世界とでも言っておくべきだな」

声がした方に顔を向けると、頭でっかちの黒猫が喋っている。

『猫…?』
「ワガハイは猫じゃねぇ!まぁ、今は仕方ないか…。正直時間がねぇ、だろ?」
『あぁ…そうだけど…』
「今からこの中に入る」
『正面から入るのはあまりに無謀だと思うけど…』
「だから、今から入れそうな所を探す。オマエはどうやら頭が冴えてるみたいだからな。探索に協力して貰うぜ」
『それは勿論、協力するよ』

どうやら個性的なメンツのようだ。何だか、日本代表のメンツの中にいるみたいな気分になる。瑠璃は、此処で何も出来ずに苦しんでる。自分の事などどうでも良いと思ってる彼女の事だから、きっと誰も来ないと絶望してる。

「お前…その制服…明電じゃねぇか!」
『そうだけど…』
「俺、秀尽高校二年の坂本 竜司だ!宜しくな」

まさかの先輩…。と言う事は、此処にいる皆…先輩なのか…?

「そういえば、自己紹介まだしてないな」
『あ、あぁ…俺は明電高校一年の基山 ヒロト。宜しく』
「一年…?」
「俺達よりも年下だな」
「だからって敬語は要らないぞ。取り敢えず、此処でこうしていても警備員に見つかるからな。早いとこ入れる所を見つけよう」

確かに、あまり長い時間棒立ちしていても警戒されてしまう。この大きな屋敷…。

『ん…?』
「今更気付いたか。もう此処は現実世界じゃない。東雲 明彦はこの屋敷を宮殿だと思ってるみたいだな」

だからこんな大きな宮殿になっていたのか。つまりは、相手が何として認知しているかで変わるという事なのだろう。

『さっきも言った通り、正面から入るのは余りに無謀だと思う。入れるとしたら、彼処だと思うんだ』

庭にある大きな木。あれを登るしかない。
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