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Break! 【イナズマイレブン】

第30章 Lead! 〈綾織 星羅〉


ある日、突然入ってきた衝撃の情報。それは…

ー瑠璃ちゃんが大手企業の御曹司との婚約発表ー

驚いた。何でか聞いても、笑顔で返されて終わってしまう。基山君と上手くいってると思っていたのに。基山君は何か策があるみたいだったけど…。

「星羅」
『有人君』

振り返ると、制服に着替えた有人君が立っていた。

「準備は出来ているか?」
『うん、大丈夫』
「なら、行くか」
『うん』

そう言えば、響木監督から二月のFFHIのマネージャーの勧誘来てたんだった。少なからずお金はかかるし、家に置いてもらってるだけお金も凄くかかってるのに、これ以上迷惑かけるには…。

「星羅、どうかしたのか?」
『あ、ううん、何も…』
「FFHIの事か」

どうして分かったんだろう。私はこれ以上迷惑をかける訳にはいかないんだ。

『だ、大丈夫だよ?マネージャーの話は断る予定だし…。それに先輩方には勧誘きてないみたいだし…先輩方に譲るべきだよ』
「お前が選ばれた意味を考えろ」

分かってる。分かってるの。本当は一番近くで君のサッカーを見ていたい。そして応援したい。でも、無理だよ…。

「お金の事は良い。父さんに既に頼んである」
『私、これ以上迷惑かけられないよ…』
「迷惑なんかじゃ無い。俺が、お前に一番近くで応援して欲しいと思っている。それだけじゃ駄目か?」
『だって、沢山お金かかるんだよ…⁉︎有人君のお金ならきっとお父さんも快く払ってくれるよ?でも、私は…!』
「父さんは、将来人の上に立つものに必要な事だから許可したんだ」
『人の上に…』

私には、果たして人の上に立つ資格などあるのだろうか。自分から知らない人に話しかける事だって無理だし、夏未の時は危機感があったからいけただけで、私には積極性が無いのは事実だ。

「お前、本当に今のままで良いと思ってるのか?」

今のままで、良い…?違う。有人君は毎日確かに成長してる。傍で見てるからこそ分かる事だ。じゃあ、私は?何が出来る…?君の為に何が出来るんだろう。

『私…本当に成長してるのかな…』
「…!」
『過去の自分を振り返れば振り返る程、情け無さしか出てこないの。有人君の為に何か出来てるかって言われればきっと…すぐに答えられない…』
「過去を振り返る事も確かに必要だ。だが、一番大切なのは、これからどう成長していくのかじゃないのか」
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