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Break! 【イナズマイレブン】

第4章 Shoot! 〈天晶 瑠璃〉


『天晶 瑠璃です。帝国学園出身で、バレエが好きです。よろしくお願いしますね』

いつも通り、ゆったり話す。緊張はあまりしないタイプ。でも努力するのは好き。だって成長すると嬉しくなる。

「基山ヒロトです。出身中学校はないです。趣味はサッカー。よろしく」

びっくりした。出身中学校がないなんて。でも、名前を聞いて納得した。彼は宇宙人と言われていたエイリア学園のグランと呼ばれていた人。

「自己紹介も終わった事だし、周りの人と話してみてね」
『基山君、よろしくね〜』
「ああ、よろしく。...不思議じゃないの?」
『何が?』
「中学に行ってないって事だよ」
『でも、高校に入学出来るくらい勉強したって事でしょ?それなら何も問題ないと思うな』
「驚いたな」
『?』
「皆、気を遣って話しかけてこないと思ったから」
『でも、そんな事言ったっていつまでも仲良くなれないでしょ?気にする事ないよ』
「そ、そうだね」

紅い髪を持った彼は心底不安そうに聞いてきたが、私は、逆に気を遣って話さない方が面倒臭くなりそうだったから、ナチュラルに挨拶した。それだけ。

『私からしたら、ヒロト君の方が驚きだよ。だってそんな真っ赤な髪の色校則違反じゃないのかなって思って』
「一応地毛証明書は書いてあるよ」
『そうなの?』
「ああ。誤解されやすいけど染めてなんかいないさ」

ちょっと辛そうに彼は笑っていた。何か、あったのだろうか。見てるこっちも辛くなるような、そんな顔。だけどすぐに取り繕って元の顔に戻っていた。

「君は、差別しないんだね」
『だって、差別したその先には何かがあるの?私はそんな事するだけ無駄だと思うけどな』
「そろそろ新入生テストを始めるから机の上を片付けてね」

先生の言葉と共に私は机の上を綺麗にした。入試は一番だったけど、新入生テストでも一位を取れるように頑張らなきゃ。先生の始めの合図と共にペンを走らせる。大丈夫、私なら出来る。

「やめ!今日はこれで終わりだから帰って大丈夫よ」

よし、それじゃあ準備して星羅を迎えに行こう。

『それじゃあね。ヒロト君。また明日』
「ああ、待って...」
『どうかした?』
「また明日も話せるかい?」
『勿論だよ。明日も沢山話そうね』

ヒロト君に手を振って教室を出た。星羅を迎えに行って、今日は帰って早めに寝よう。そう考えて、階段を登った。
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