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Break! 【イナズマイレブン】

第25章 Halloween! 〈鬼道 有人〉£


「はぁ…はぁ…んっ…」

入れていた指をぬぷぷと音を立てて抜いていく。それさえも感じているのか、小さな声が漏れた。

『大丈夫か、星羅』
「うん…ゆーと君…すきぃ…!」
『随分と素直だな』
「うん…らいすきぃ…」

段々眠くなってきたのか、瞼が降りてくる。流石にこのまま寝てはいけないし、風呂に入るのが得策だろう。取り敢えず風呂に入らせたい。

『星羅、起きろ。風呂に入れ』
「うむぅ…眠い…」

こんな事言いたくないが…風呂に入らせるには、今はこの手しか思い浮かばない。

『俺は風呂に入らない奴は嫌い…』
「入る!」

いきなり目を開けて覚束ない足取りで立ったかと思えばヨロヨロと風呂の方へ歩いていく。仕方ないから風呂までは連れて行ってやろう。壁にぶつかりながら行かれても心配になる。

『星羅、ほら掴まれ』
「ありがとぉ…」

チョコレートを食べてから大分経った筈なのに、まだ酔いが抜けていない。しかもあの少量でだ。大人になってからも仕事であれ飲ませるのはやめよう。

「えへへ…ゆーと君とイチャイチャれきて…うれしぃの…!」

にへら〜と真っ赤な顔で笑う彼女の破壊力が強すぎて、繋ぎ合わせた筈の理性の糸がまた切れかかっている。

『分かったから…先ずは風呂に入って速く寝ろ』
「うん…!星羅…良い子らから…ちゃんと入るぅ…!らから…ゆーと君も星羅のお願い…きいて…?」
『ああ、何でもきいてやる』
「えへへ…また、星羅とイチャイチャしよーねぇ…」

その言葉と同時に風呂に着いたから、分かったと返事をして風呂に送り出した。どれだけ可愛いんだ…。だが、取り敢えずやる事は、先ずは朝日奈にクレームと感謝を伝えよう。

「ゆーと君…ちゅーしよ…?」

何を言い始めるかと思えば、若干潤んだ瞳でこちらを覗き込んでくる。この願いを聞き入れない筈が無かろうに。

『ああ…目を瞑っていろ』
「うん…!」

ゆっくりと目を閉じていく。完全に瞼が閉じられたのを見計らって、頬に手を添えた。滑らかな肌を親指の腹だけで楽しんで、そのまま強引に口付けをした。

「んん…」

これを待っていたとでも言う様に、恍惚に浸って啄む様にキスをする。角度を変える度に星空の髪がサラサラと揺れる。キスをしながら、手で髪を梳いていった。

『ほら、行ってこい』
「うん…!」

満足げに去っていく背中を、ずっと見つめていた。
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