第24章 Boys！ 〈男子組〉

「もう一回ヤったら、次やっても良いみたいな所あるよね」
『もう俺はツッコまないからな』
「やめろ、お前が居なくなったらカオスになる」
『ならお前がツッコミに戻ってこい！』
「今回はボケで」
『なあ、お前そういう奴じゃなかっただろ豪炎寺。戻ってきてくれ！』
「諦めた方が良いよ。これからは鬼道君が僕達を纏めていくんだ…！」
『ならお前は少しでも纏まれるように努力してくれ！』
「え、それは嫌かな」

もう駄目だと確信した。せめて豪炎寺、お前だけでも戻ってきてくれ。俺は一人ではお前達二人を相手にできない。

「それでさ、さっきの話に戻るけどさ」

戻らなくて良い！戻らなくて良いから！俺は普通の話で良い！もうツッコミの役割を終えたい…。

「次はお風呂の鏡の前でヤってみたいよね」
「流石にそこはハードルが高いだろ」
『はぁ…』
「まぁ、まずは正常位とかバックが良いよね」
「確かに」
『俺は参加しないからな』
「もうむっつりスケベの仮面取りなよ」
『それは豪炎寺だ』
「いや、もう豪炎寺君は既に普通のスケベと化したから」

そういう事だったのか…。お前、遂にプライドという物を捨てたのか…。

『豪炎寺…お前…』
「鬼道、こっち側に来れば楽になれるぞ」
『麻薬を勧めるように言うな！俺までそっち側に行けば誰が此処を纏めるんだ…！』
「なるようになるよ。鬼道君」
『今だけで良いから不動が来て欲しい…』
「お、三人衆、何してんの？」

見上げると不動が何食わぬ顔で見ていた。お前を待っていたよ…不動…。俺にはもう手に負えない…。

『不動…頼むから、こいつらをどうにかしてくれ…』
「おいおい、鬼道クン。お前なら何とか出来るだろ」
『本当一回で良いから、こいつらを纏めてみろ。こっちが本当に死ぬ。これは真面目な話だ。俺はもう今から話さないからお前が纏めてくれ…！』

最後の力を振り絞って、不動に託した。不動も話に混ざった瞬間に「ウゲェ」という蛙が潰れた様な声を出した。

「そーいう事かよ…」
『俺はもう駄目だ』
「何言ってんだよ。こいつら纏めるの俺だって無理だわ！」

そう言えば、不動にも最近彼女が出来たとか何とか聞いた覚えがある。不動と付き合う何て物好きな奴もいたものだと考えつつ、目の前の状況に混乱する。

「男子高校生なのは分かるけどよォ。あまりにもがっつきすぎなんじゃねぇの？」