第22章 Stick! 〈天晶 瑠璃〉
文化祭も終わって、今日はバレエスクールに行く予定だ。サッカー部のマネージャーを全国大会が終わったら申し訳ないけど辞めさせて貰い、バレエに専念する事にした。
『それじゃあヒロト君、部活頑張ってね』
「ああ。瑠璃も気を付けて。六時半過ぎ位には迎えに行くから」
『そんな無理して迎えに来なくても…』
「俺が瑠璃に会いに行きたいだけだから」
『もう…』
「じゃあ、また後で」
『うん』
ヒロト君と別れて電車に乗った。次の駅で降りて、前に行ったビルに向かう。
『こんにちは…』
「こんにちは。早速準備して来て頂戴」
『はい』
バレエレオタードに着替えて、まずはストレッチから入る。他の人達の方がやっぱり柔らかくて、やっぱりブランク期間が多かったからまだまだ先輩達には及ばない。
「次、バーレッスンに入るわよ」
『はい』
体幹を意識して、先生にアドバイスを貰いながら、慎重にやる。ターンやバットマンという脚を上げる動作に必要不可欠なレッスンだ。
「次、センター」
皆水分をとって指定位置に並んだ。そう思うと、皆凄くほっそりしてるなぁ。私も食事管理しないと。
「次、輝夜、瑠璃」
「はい」
『はい』
センターレッスンではステップやジャンプのレッスンをしている。二人一組で先生に見てもらう。他の人がやっている間は自分の動きの参考にする。どれだけ吸収出来るかが鍵なんだと思う。
「次はターンの練習に入るけど、まずは五分休憩」
『はい』
「ねぇ、君瑠璃ちゃんって言うの?」
『そうだけど…』
「私、三日月 輝夜。宜しくね」
『宜しくねぇ〜』
「バレエやってたの?何か凄く柔らかいなぁと思ったんだけど」
『小さい時にやってたの。でもお家では毎日ストレッチしてたから、全然やってない人よりは衰えてないと思うなぁ』
「やっぱり。私、バレエ始めてからそんなに経ってないから、一緒に頑張ろうよ!」
『うん、頑張ろう』
友達…出来た。バレエスクールって何となくギスギスしてるイメージがあったから、友達できそうに無いと思ってた。
「休憩終わり。ターンの練習するわよ」
『はい』
ターンの練習では色んなターンの仕方を学ぶ。ターンは一つだけではなく、様々な回り方があるから、沢山覚えなければいけない。
「ターン終わり。瑠璃はトウシューズが履けるまで私がレッスンするわ。他はバリエーションや振り付けをする事」