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Break! 【イナズマイレブン】

第19章 Hurt! 〈綾織 星羅〉


捕まってから、激しい痛みによって目を覚ました。恐る恐る目を開けると、目の前には何人かの男がいた。男達の中の一人は鞭を持っている。これから、地獄が始まる…。

「起きたぞ。社長を呼んで来い」
「はっ」

自分の格好を見ると、下着だけになっていた。気付かれない範囲で辺りを見回すけれど、自分の服と思われる物はない。暫くすると扉が開く音がして、コツコツとヒールの音が聞こえた。

「下がりなさい」
「はっ」

その言葉と共に男達が出て行く音がして、恐らく私と女だけの空間になった。何が始まるって言うの…。

「貴女が綾織 星羅…。相変わらず気に食わない顔してるわ」

そう言って一回私の脇腹を鞭と思われる物で叩いた。

『くぅっ…』
「あはは!良い顔ね!その歪んだ顔がどれだけ見たかった事か!」

この人、可笑しいよ。想像はしていた事だったけど、素肌に直接の鞭は本当に痛い。しかも、まだ痛みが残っている。

「ねぇ知ってる?知ってるわよね。私の愛してた人があんた達の所為で自ら命を絶ったの。考えられる?この苦しみ!」

ピシャリと嫌な音が響いて、今度は足に激痛を感じた。確かに、大事で大切な人が自ら命を絶ったのは苦しい事だと思う。本人にとっても、周りの人にとっても。でも、私は貴女程深くは感じる事が出来ない…。

「何とか言いなさいよ!」

ピシャリピシャリと今度は二発。頬が痛い。目に入らなかっただけマシだ。

『考え…られません…』
「でしょうね!あんたの家はそういう人しか居ないんだから!」

今迄のもう一度叩かれる迄にあった時間が無くなり、何発か連続で叩かれた。あの男の鞭を取ったのだろう。どこもかしこも痛い。意識が飛びそう…。でも、此処で意識を無くしたら、社長さんは戻ってしまう。乃愛ちゃん達の作戦の邪魔になってしまうかもしれない。此処は、耐えないと…。

『ぐぅ…』
「痛い?痛いわよね!私はそれ以上に痛かった!周りの視線と苦しみであんたの痛みよりもずっと痛かった!」

苦しみに歪んだ声。でも、それすらあまり分からないほどの痛みが全身を襲う。寝てしまいたい。けれど寝たら、乃愛ちゃん達が不利になる。

「もっと痛みに悶えなさいよ!」
『ふっ…つぅっ…』

痛い、痛い、痛い。だんだんとそんな言葉が脳内を支配してくる。そんな事しか考えられない。ダメだ…負けちゃ、ダメなんだ。
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