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Break! 【イナズマイレブン】

第18章 Hang! 〈天晶 瑠璃〉


『文化祭、凄く楽しみなんだ。中学ってそういうのは無かったし、初めてだから』
「俺も経験した事無いんだ。お日さま園だったから」
『お互いに初めて同士、だね』
「そうだね」

イベントの中でも、体育祭や文化祭は一大イベントの一つなのではないだろうか。まぁ、どちらかと言うと文化祭の方が支持率は多いかもしれない。

『星羅ちゃん…文化祭までに復帰できるのかな…』
「分からない。早い回復を望むしか俺達にはできない」
『絶対、楽しい文化祭だから戻ってきて欲しいの。それに三年に一回の文化祭だし』
「確かに」

星羅ちゃんが早く退院できるように、私達は応援するくらいしか出来ないけど、でも頑張る。出来る事から一歩ずつが大切なんだ。でも、今でも悔やんでる。実は私がもっと早く完璧に動けていたらって。

『ヒロト君は、自分の事、好き?』
「いきなりどうしたの?瑠璃」
『私、昨日の事で、自分って全然ダメだなって思った』
「そんな事無い。瑠璃は…」
『ううん。今までずっと見ている側だった。リーダーは面倒臭いってずっと避け続けて、自分が楽したかったの』
「…」
『昨日、指示する側になって、私もっと出来る事あったはずなのにって。もっと完璧に動けた筈なのにって…』
「人間には完璧なんて存在しない。あり得ないんだ。だから人間は進化を続ける。終わりがないから。昨日瑠璃が出来なかった事に気付けたのも、進化の過程なんだ」
『進化…』

私、高校生になってからすぐの事件があって変わった様に思ってた。でも違う、結局は止まったままだった。でも、動き出したんだ。昨日から、秒針が少しずつ。

『そっか…』
「俺は、円堂君にそう教えて貰った。サッカーを通して色んな事を学んだ。だから瑠璃もバレエを通して何かを学べるんじゃないかな」

そうだ、私がバレエを習いたかったのは、何かを学びたかったからなんだ。大切な、何かを…。

『分かった気がする。なんで、今迄バレエを習いたかったのか』
「なら良かった」
『ありがとう。ヒロト君のお陰で分かったよ』
「良いんだ。それじゃあ、瑠璃は此処だろう?」
『うん。また明日…では無いんだっけ?』
「電話するよ」
『うん!じゃあね、ヒロト君!』

手を振ってヒロト君と分かれた。今迄、時が止まっていたように感じたのはそのせいだったんだ。これからは自分で時を動かしていくんだ…!
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