第15章 Dream! 〈綾織 星羅〉
触れてきてビクってなったけど、平常心を保つ事に集中する。顔に熱が集まってくるけど、もうこれはどうしようもない…!
「こ、腰の方も塗った方が良いのか?」
『う、うん。お願いします』
腰は少しくすぐったくて、声が漏れてしまう。腰、弱いんだよな…。
『ふっ…ん…』
「す、すまない、何処か変な所触ったか?」
『う、ううん、大丈夫…。腰、弱くて…』
「そ、そうか」
や、やっぱり声が漏れちゃうけど…。しょ、しょうがない、許してね…。塗り終わったみたいで、手が離れた。
「終わったぞ」
『ありがとう。変な声出しちゃってごめんね』
「い、いや…。こっちも勝手がわからなかったからな。塗り方が下手かもしれない」
『ううん、塗ってくれて嬉しい。ありがとう』
「ああ」
『明日も部活だね』
「午前中か…」
『でも夏休み中は結構休み多いんだよね。先生が旅行に行くとか何とか…』
「まぁ、基本俺達は毎日サッカーしてるから、部活しようがしてまいがあまり関係無いがな」
まぁ確かに、今日だって楽しそうにサッカーやってたし、きっとサッカーが楽しいからなんだろうな。
『宿題も手を付けておかないと…困るのは私だし…』
「明日帰ってきたら一緒にやるか?」
『うん!』
「俺もお前に教えて貰えると助かるからな」
『私で良ければ喜んで。でもそんなに宿題多くないし、頑張れば三日位で終わりそう』
「読書もしないといけないしな」
『そういうのは昔読んだ本とか書けば良いんだよ』
「そうだな」
そうだな…昔は色んな本読んでたからな…。伝記を読んだり、役に立つ情報が載ってる本を読んだり…。でも小説も読んでて楽しかったな。
『夏祭りもあるっけ?』
「そうだな。一緒に行くか」
『うん!楽しみだな…』
「夏祭りなんて行ったことなかったからな」
『あはは、でも案外行ってみると楽しいかもしれないよ?お祭りに行くと絶対高いだろって物もその場の要求で買いたくなっちゃうんだよね』
「経済効果様様だな」
『それ言っちゃお終いだよ』
「実際、トップに立つには色んな事を経験しておくべきだしな」
『浴衣、あったかな…』
「買っておくか」
凄い…!発想がやっぱりセレブ!浴衣もここ何年か着てないから、何処にしまったかも覚えてないんだよな…。一応有人君のお家に来る時に必要な物持ってく為に探したけど見つからなかったな…。