第14章 Catch! 〈天晶 瑠璃〉
「試合終了!」
やった!勝った!良かった…。なんだか安心しちゃった。
「瑠璃、行ってきなよ!ヒロト君待ってるよ」
でも後少しでバレーの試合も始まっちゃう。皆に迷惑かける訳にはいかないよ。
『私、バレーの試合行かなくちゃいけないから、今は行けないんだ』
「そっか…って瑠璃ちゃん、後三分で集合時間じゃない?早く行かないと!」
『うん!じゃあね!』
急いでバレーの会場に来た。多分、ヒロト君は来ないと思う。試合で疲れてるし、気まずいだろうし…。
「お、来たな」
『ごめんね。ギリギリになっちゃった』
「いや、一応時間内だから大丈夫だ」
少し息を切らせたまま試合に臨んだ。二回戦はなんだかバレーが圧倒的に強いと評判のクラスで、風貌も強靭そうに見える。というか目が怖いんですけど…。
「行くぞ!」
待って…相手からのサーブだけど、めちゃめちゃ強そう…。あんなの受けたら腕折れる…。
「瑠璃ちゃん!」
『あ、うん!』
無理…。折れるって!でも、受けるしかない…。き、気合いだ!
『くっ…』
あれ、案外痛くない。気合いでどうにかなる事もあるのかも。
『皆!繋げて!』
「おうよ!」
25点マッチでデュースはなし。今は相手と同点で24。あと、一点。ここで勝つのは、勝利への思いが強い方!
「天晶!」
『てやぁっ!』
私のスパイクでゲームは終了のホイッスルが鳴った。よし…勝ち抜いた!
「やったね。瑠璃ちゃん」
『うん』
私達のブロックでは私達が勝ち抜いたから、次はブロックごとのトーナメント戦。そろそろトーナメント表が出される筈だ。全部のクラスがバレーに出る訳じゃなくて、選んだクラスしかやらない訳だから、そんなにブロック数も多くない。私達はまた先輩達と試合するみたいだ。
「なんか、勝ち進んじゃったね」
『びっくり。一年じゃ力及ばないって思ってた』
「最高でもあと三回だしね」
次の試合もすぐ始まってしまったが、やっぱりブロックを勝ち上がってきた先輩達は強くてあっさり負けてしまった。でも一年の割には上出来だと言えるだろう。
「うーん、やっぱり強いね」
『私達は後は観戦メインだし、何か観に行こうか』
「瑠璃ちゃんはサッカー観に行ってあげなよ。凄い事になってるんだよ!準決勝で闘ってるの全部一年なんだって!」
『え?』
急いでサッカーの試合会場に向かった。