第4章 訓練初日
「訓練はこれで終了だ。各自着替えてシャワーを浴びたら班ごとの指示に従え」
「はっ!」
一同敬礼をして、初日の訓練は終了した。
結局階段の後は、別メニューで丸太を全員で抱えたままジョグと腹筋を行った。まだ訓練初日だが、新兵歓迎会と比べ物にならないくらい班員の距離が縮まった気がする。
班員の優しさと、丸太の重さと、リヴァイ兵長のドSさに気付けた、達成感のある訓練だった。
シャワーを浴びてリヴァイ班のデスクに戻った。
時刻は15時。他の隊員は既に席についており、カタカタとパソコンを鳴らしている。
「すいません、遅くなりました。」
「大丈夫だよ、じゃあリラはとりあえず…」
エルドさんはそう言ってリヴァイ兵長を横目に見る。
「お前はまず、現状把握からだ。そこの書類を全部確認して、時系列ごとにまとめておけ」
「了解しました!このファイルでしょうか?」
私は班ごとにある書類棚から、一際分厚いファイルを抜いて尋ねた。
「あ?違ぇ。その棚全部だ。」
班ごとの書類棚は、幅は人二人分くらいだが、天井近くまでビッシリとファイルで埋まっている。
大丈夫。この人がドSなのは訓練で刻まれている。
「承知いたしました。」
遠い目をして答えた私に、班員の笑いを押し殺す声が小さく聞こえた。