第4章 訓練初日
ハァハァハァハァハァ
足がもつれて最後の段は転がるようにゴールした。
「リラ、よほど最高の別メニューがやりてぇらしいな」
私に付き合わされて何回も上り下りをしているはずなのに、平然な顔をしているリヴァイ兵長が顔を見下ろしながら言った。
「ハァハァ。てめぇ、精鋭であるリヴァイ班のイメージが下がっちまうじゃねぇか。」
「ハァハァ。初日だししょうがないよ。切り替えて次こそクリアしよう。」
「ハァハァ。それにしてもこんだけやったら、久しぶりに訓練って感じがするよ」
オルオさん、エルドさん、グンタさん達も私ほどではないが、肩で息をするくらい呼吸が乱れている。それもそのはず、私のせいでリヴァイ班は設定タイムをクリアできず、1時間程ずっと上り下りをしているからだ。
歓声がたまに聞こえてくるので、クリアしているチームはちらほら出てきているはずだ。
こんな事もクリアできないなんて情けない。
寝転んだままだと筋肉が固まってしまうのでほぐす為に立ち上がろうとする。
ヨロッ、、、既に足は限界なのか、歩き出す足が絡まり目の前に倒れ込んでしまう。あっ、これ顔から倒れちゃうやつだ。手を出す反応が遅れてしまい、これからくるであろう衝撃に目を瞑ったが、その瞬間、お腹に誰かの方手がまわされて支えられた。
「…やめるか?」
支えてくれた手の持ち主であるリヴァイ兵長が静かに問う。
やめる?足を引っ張ってるのは理解しているが、諦めるなんて選択肢ははなから持ち合わせていない。その言葉を聞いて私の体内の血がカッと熱くなり、思わずその手を振り払った。
「絶対やめないです。」
そして、他の隊員の方を向き頭をさげる。
「すいません、もう1本付き合ってください!!」
「当たり前だよ、次は頑張ろうね」
「こんだけやったんだ、あと1本でも2本でも変わらねぇよ」
「大丈夫、最後まで付き合う覚悟はできてるから」
班員の優しい言葉にグッと涙腺にこみ上げてくるものを押し込んで、私達はもう一度スタートについた。