第71章 クマ再び
「ク…ク………クロッカスさん!!?双子岬の………!!お懐かしい、」
「え~~~~~!!?あのおっさん50年岬にいたんじゃねェのか!?海賊王の船員(クルー)だったのか!!!」
「そういえば…数年船医をやったって言ってた。じゃあその3年間海賊をやってたのね!!」
「キミらが会ったという事は…まだ元気でやっとるか!クジラを可愛がっていて…クロッカスは何やら…探したい海賊団がいると乗船を承諾してくれたのだが。」
「ブルック!!それ完璧におめェらを探しに海へ出たんじゃねェかよ!!」
「ク…クロッカスさん…そんな事までして…!!?」
「あいつはたった3年の船員(クルー)だったが、紛れもなく我々の仲間だ……!!!この歳になると…また会いたいもんだな…」
ラブーンの為にブルック達を探しに行くために海賊になるなんて…クロッカスさんも勇気があるな。まぁ入った海賊団が海賊王になる船だったっていうのがまた凄い縁だ。
「で、海を制覇した後は……?」
「そこからだ…ロジャーは世間から“海賊王”と呼ばれる様になった…何もずっと海賊王だったわけじゃない…死にゆく男に称号など何の意味もない。だがロジャーは喜んでいたな…何事もハデにやらかす事が大好きでな男でね…宴もそう…戦いもそう…己の先のない未来にも一計を案じ、楽しんでる様に見えた。やがて『船長命令』によりロジャー海賊団は人知れず解散し…全員バラバラに…一人…また一人姿消した。共に命を懸けた仲間達は今やどこで何をしているかほとんどわからない。――そして解散から一年が過ぎた頃――ロジャーは自首し…逮捕され…あいつの生まれた町、|東の海《イーストブルー》のローグタウンで公開処刑が発表された。あの日の広場には…今海で名を挙げている海賊達の若き日のそうそうたる顔ぶれが並んでいたと聞く…海賊王の処刑に世界が注目していた。――私は行かなかったよ。あいつの言った最後の言葉はこうだ…」
『おれは死なねェぜ……?相棒…』
「世界政府も海軍も………驚いたろう。他の海賊達への“見せしめ”の為行った公開処刑の場が、ロジャーの死に際のたった一言で『大海賊時代』の幕開けの式典へと一変したのだからな…!!」