第70章 ヒューマン・ショップ
「あの…よかったらこれ!みんな逃げちゃってるので…今が逃げるチャンスだと思います!」
目の前にいる踊り子に鍵を渡すと、涙を流しながらお礼を言われた。買われた人達は、これからドン底人生を覚悟してそこにいるんだもんな。うまく逃げられられるといいけど…
「ルフィ…っ!!」
「!!なまえ…っ!!よかった、無事だな!?」
「うんっ!!」
ぎゅ、とルフィと再会を分かち合う。まぁ私はどうやら売り物として攫われたわけじゃなかったみたいだけど。そして…
『犯人は速やかに、ロズワード一家を解放しなさい!!直、「大将」が到着する。早々に降伏する事をすすめる!!どうなっても知らんぞ!!!ルーキー共!!』
解放しなさい…ね。解放するも何も、人質にしてないし、なんならそこでみんな気絶しちゃってるし…海軍は私達が立て篭もりをしてるとか思ってるのかな。
「おれ達は巻き込まれるどころか…完全に共犯者扱いだな。」
「“麦わらのルフィ”の噂通りのイカレ具合を見れたんだ。文句はねェが………『大将』とぶつかるのはゴメンだ…!!」
「あー、私はさっきの様な“力”はもう使わんので、キミら頼むぞ。海軍に正体がバレては住みづらい。」
「長引くだけ兵が増える、先に行かせて貰うぞ。もののついでだ、お前ら助けてやるよ!表の掃除はしといてやるから安心しな。」
あの言い方…確実に煽りに来てるな。というか誰だあいつは。海賊だとは思うけど。その安易な煽りにルフィも、近くにいるもう一人の人も反応して続けて会場の外へ歩いていってしまったし。
「ロビン、あれ誰?」
「トラファルガー・ローと、ユースタス・キッドよ。」
「あー…シャッキーさんから聞いた名前…」
なるほどそうか。あいつらが億超えルーキー…しかもユースタス・キッドってルフィより懸賞金が高かった奴じゃなかったっけ。