第70章 ヒューマン・ショップ
「何だ、おめェも怒らねェんだな。」
「ふふ、まぁね。私が1番ルフィと一緒にいた時間が長いし。遅かれ早かれって思ってた部分もあるから。それに……」
「それに…?」
「それに、あのクソ貴族を殴ってくれてスッキリした。」
「いい笑顔だが、貴族に会うのは今日が初めてじゃねェのか。」
「うん、小さい時に1回。兄を殺されたの。そんなことよりほら、早くケイミーを解放しなくちゃ…急いで!」
兄を殺された。フランキーには衝撃的な言葉だったみたいで、固まっていた。固まってるフランキーの手を掴み、舞台へと引っ張る。まぁそうか…殺されたって言ったから、仇って言ってるようなもんか。
ピピピピピピ…
会場へ出ると、途端に警報音が耳に入って来た。ケイミーの首輪からだ。ケイミーの首輪を弄ってるのは、さっき私の手錠を取ってくれたあの老人だった。あの人だったら大丈夫だ。ほっ、として足を止める。
「おい何止まってやがる。」
「あの人、手錠取れるから鍵いらないや。」
「あん?」
ボカァン!!!
予想通り、ケイミーを爆発させることなく首輪を取ってくれた。あの人本当にいい人だな…これでケイミーも商品ではなく自由になれる。
「おいおい!!何だ今の!?もう首輪も手錠もねェじゃねェかよっ!!」
「まぁまぁ…いいじゃない、ケイミーは助かったんだし。」
「何だってんだよ!!何だこの状況!!てめェ誰だ!?」
憤怒してるフランキーはおいといて、呆然としてるルフィ達の元へ行きたい。鍵…そうだ、他に捕まってた人達…タタッ、と戻って待機させられてる人達の前まで行く。