第10章 海賊の息子
波乗りできたよ!!津波みたいな勢いで反対側に波ができたよ!!あっち側にいる人、被害いったらごめんなさい。結構使えるじゃんこの能力。ただ、海側での戦いになった場合にしか使えないし、制御できないから仲間にも被害がいきそうだ。やっぱあんま使えないかも。バリアとか出来たらいいなぁ。…できるわけないか、やめよやめよ。と思った瞬間、さっきやった小さい波がこっちへ向かってきた。
「え、あっ、やばっ!!」
小船流されちゃうわ!!慌てていたら、下に水たまりができていたのに気づかずに滑ってしまった。
「えっ!!」
痛っ……と思ったのもつかの間、ずくに目の前が暗くなってしまって。
「おい、おーいなまえー!!起きろー!!」
「………あれ?」
ルフィの大きい声で目を覚した。もうすでに海の上で、いつの間に帰ってきてたんだルフィ達!!…ってあ、そっか。水に滑って多分船の端に頭ぶつけて気絶しちゃったんだっけ。
「船番するって言って、あんたまで寝ちゃってどうすんのよ!」
「ご、ごめんごめん。ちょっと色々あって…」
「色々って何よ、色々って…」
なんとかナミを誤魔化し説得する。そんなに怒んなくたっていいのにねぇ。まあ今の場合は怒るより呆れてるんだと思うけど。
「はぁ……無謀だわ。」
「何が?」
「このまま“偉大なる航路(グランドライン)”へ入ること!」
「確かにな!この前たわしのおっさんから果物いっぱい貰ったけど、やっぱ肉がないと力が」
「食糧の事言ってんじゃないわよ!!」
たわしのおっさん?さっき島に行ったとき、誰かに会ってたのかな?
「このまま酒が飲めねぇってのもなんかつれぇしな。」
「えっ、ゾロってお酒飲めるの?」
「あぁ、強ぇぞ。飲み比べすっか?」
「私は飲めないよ、お酒。」
「飲食から頭を離せ!!」
あら、ナミにまた怒られちゃった。だってゾロがお酒飲むの意外なんだもの。ルフィはお酒飲めないしなぁ。…ナミは強そう。