第10章 海賊の息子
「ん!なんか見えるぞ。おい!島だ!!」
ルフィが何やら興奮していたので、麦わら帽子を直し終えた私はルフィの目線へもっていく。小さな島が見えた。
「あぁあれはダメね。無人島よ、行くだけムダ。進路はこのまま……」
「仲間になってくれる奴いるかなぁ。」
「食糧でも積めりゃ上出来だな!ナミの言うことは一理あるぜ。おれ達には明日の心配が足りねぇらしい。」
「待て!!!」
ナミの言葉を無視して島へ漕いでくルフィ。さっき人の話はちゃんと聞こうねって言ったはずなのにこの野郎‥
「孤島に着いたぞ!!何もねぇ島だなぁ!!森だけか?」
「だから言ったのに、無人島だって。仲間探すのにこんなとこ来てどうすんのよ。」
「おいなまえ、ゾロ、降りてこいよ!」
「ごめんルフィ。ゾロが寝ちゃったから、私船番してるわ。」
付いた途端寝息を出し始めるもんだから、びっくりしちゃったよ。さっきまでパン齧ってたのにさ。
「え〜??」
「寝かしといてあげなさいよ。あれでも怪我人なのよ?」
「そうそう、ということでいってらっしゃ〜い!!」
「よし行こう!」
納得しきれてない感じで納得したルフィは、ナミを連れて森の中へと入っていった。ん〜、びっくりするほど暇だぜベイビー。それにしてもいいお天気だこと。そうだ、ルフィがいないうちに能力の練習でもしとこう。手から水を出すのは結構容易くなってきたので、今度は海でも操ってみよう。なんか、水を全般操れるってカッコよくない?ザバッ、と勢いよく水に手を入れる。
ザ、パーン!!!
手の向きと同じ方向で、少し離れたところから大きな水しぶきが上がった。海賊船一隻くらいなら簡単に大破するようなほどの水力である。
「なにこれ……超楽しい。」
予想以上の能力の強さである。ちょっと水を押すくらいの強さでやると、小船一隻。さっきのように勢い良くやると大船一隻。なるほど、力加減によって破壊力は違うんだ。お次は…ポケ○ンのように涙を操ってみよう。両手で水を掴むように下に沈めて…ちゃぶ台返しみたいに上にあげる。
ザザーン!!!
「おおおおぉ………!!」