第70章 ヒューマン・ショップ
「私も!!すみません、私の手錠だけでも外して貰えないでしょうか…!!」
「ふむ……君は…そうか、異世界人だな。」
「えっ…」
瞬時にバレてしまった。手配書が出回ってるって言っても、そんなすぐ分かるもんなの?海賊には手を貸さないかな…一応一味の2番目に懸賞金高いし。なんて不安が過ぎったが杞憂だった。
「もっとこっちへ寄れるか?外してやろう。」
「い……いいんですか?」
「若い娘さんを見殺しにするなんて、私にはできないのでね。」
檻ごしに手錠を外して貰う。ピピピ、と鳴った時はもしかしたら私も爆発してしまうのではないか、とビビったけど…立ち上がってお礼を言う。無理言ってペンダントを投げ入れて貰った。そして檻の中から、目の前に掛かってる鍵を仕方から水で浮かしながら自分の手元へと運ぶ。
「自分で逃げられる…か。」
ご老人はそう言って巨人と共に舞台へと歩いていってしまった。大丈夫かな…あんな堂々と舞台へ向かっちゃったけど。まぁあんな手錠外すくらいだし、只者じゃないんだろうけど。鍵を持って、檻を開ける。扉が空いて、急いで舞台へ走る…が、前をしっかり見てなかったらしく誰かにぶつかってよろける。
「わっ………」
「おっ…とと、大丈夫か?」
「フ、フランキー!?」
「譲ちゃんじゃねェか!!…おめェ頭の傷、どうした。」
「やっ、これは大丈夫…っ!!」
そう、ぶつかったのはフランキーだった。よろけた私の腰を掴んで支えてくれた。真っ先に心配してくれたフランキーは優しいな、と思ったがこれは自分で付けた傷なので心配には及ばない。すぐさまフランキーには今の状況を説明して貰った。どうやらルフィは世界貴族様をついに殴ってしまったようだ。ハチが撃たれたから。それでこそルフィだ、つい口元が緩んでしまう。海軍大将がきてしまうけども。