第70章 ヒューマン・ショップ
「!!ケイミー、危ない!!」
「えっ…」
「ルフィ!!!助け…」
殺気を感じて空を見上げると、袋を大きく開けて迫ってくるピーター○ンみたいな男がいるということまでは確認できた。その後は分からない。目の前が真っ暗になって、突然やってきた浮遊感に驚く。ベタ、と口に何か付けられ縄で縛られどこかにつけれて行かれる。これが人攫い屋か、私も売られるのか?同じような状態にケイミーもなってるのだろうか。縄だけなら後ろで縛られてる手で何とか脱出は図れるが…ケイミーのこともあってそのまま大人しく捕まっていることを決意した。
「放してよ!!痛いっ!!」
ケイミーの声がする。揺れも収まったし、変な浮遊感がないことからオークション店にでもついたのだろうか。袋から出されたら、まずはケイミーを助けなきゃ…ここにはルフィ達はいないから、私がこの状況を何とかしなきゃいけない。
「あんた達なんか!!はっちんがぶっ飛ばしに来ちゃうんだからね!!」
「おほっ!!コリャ高く売れそうだ、珍しい!!イキもいい!!出品者は?」
「“ハウンドペッツ”で。」
「ピーターマンか、いい仕事しやがる。トビウオライダーズは今回何も出して来ねェってのに。」
なんだこの気持ち悪い声の人。ケイミーに何かしてんじゃないだろうな。それにしても、ピーターマンって…あながち間違ってなかったらしい。それに…トビウオライダーズ。あの人達、ああ見えて本当に有名なチームだったんだな。今回出してないのは私達に会ったからだろうな。そのまま人攫い辞めてくれると嬉しいけど。
「べーっ!!」
「きゃあ!!」
「コノヤロー、魚のくせに!!!」
「ちょっとディスコさん!!大事な商品ですよ!!!キズつけたら値が下がる!!蹴るんならせめて服で隠せる腹とか…」
ケイミーが蹴られた、と聞いて思わず力が篭った。手が冷たくなり、気付いたら縄も袋も破って外に出ていた。ケイミーの前に立ってる男を見つける。