第70章 ヒューマン・ショップ
園内に入ってからはとても楽しかった。ジェットコースター、メリーゴーランド、フリーフォール、コーヒーカップ。しかし絶叫系が苦手な私はフリーフォールだけ遠慮した。ゆったりとした乗り物がいい、と言いながら絶叫系に乗っていくんだもん。コーヒーカップで全力で回しすぎた私達はもれなく全員酔ってしまった。その為休憩も兼ねて観覧車に乗ることにした。
「うわ〜〜〜〜、高〜〜い!!!」
「なはは、泣く程嬉しいのか?」
ルフィ、私、ケイミーが同じ部屋に乗る。ケイミーはずっと外を楽しそうに眺めていた。ルフィのおかげで高いところが少しだけ慣れて好きになった。ケイミーと一緒に外を眺めているが、やっぱり観覧車っていいよね。
「だって子供の頃からの夢だったんだもん…こんな高い場所初めて!一生の思い出よ、ありがとう!!」
「ん?」
「はっちんもパッパグも…ルフィちん達が強いから、ここに入るの許してくれたんだよ!なまえちんも、説得してくれてありがとう!!」
確かに説得したのは私だし、ケイミーと一緒に遊びたかったからなんだけど…そんな一生の思い出って言うほど、遊園地って来ちゃいけないようなところだったっけ。いや、人魚にとって…ってことなのかも。
「ケイミー…これが最初で最後じゃなくて、1回目の遊園地ってことにしようよ。また来よ、一緒に!」
「…………うん!!」
観覧車から降りたあとも私達は精一杯テーマパークを満喫した。ゴンドラ、お化け屋敷、休憩にアイスを食べたり、クマから風船を貰ったり……ここに来てこんなにはしゃいだのは私も初めてかもしれない。宴も楽しいけど、やっぱり自分たちで生み出せないものを体験するのは楽しいよね。楽しすぎて私達は、職人さんを探していることや、テーマパークに潜む敵の気配に気づかなかった。
「おい、スゲー種類のアイスだな。おめーら何にする!?」
「おおい、おれにも選ばせてくれ!!ケイミー、」
「いいよパッパグ、選んできなよ。」
「すまん、ちょっとここで待ってろよ。」
「あはは…うん、私にもおいしーの選んできて!!」
「私のもね!!」
チラチラ、と心配そうにケイミーを見ていたパッパグに、安心するようにケイミーの手を握ってそう言った。そんなに遠くに行くわけじゃないし、私もいるし大丈夫だろう。パッパグに笑顔で見送ってケイミーと次何乗るか悩んでいると…