第70章 ヒューマン・ショップ
「おまえだって!!…………!!はっちんがやっつけてくれるんだからね!!!」
「まだ口答えを…」
バキッ!!!
飛び出した勢いでそのまま男を蹴る。思ったよりもめっちゃ吹っ飛んだ。ヤバイな…勢い任せに偉そうな人蹴っちゃって、なんか面倒くさいことにならないといいけど。
「なまえちん……」
「ケイミー、早くここを出よう!!ルフィ達、きっと血眼になって探してくれてるだろうし…」
「でも…っ、どうやって……」
「大丈夫、私だって麦わらの一味副船ちょ……」
「なまえちん!!!」
不安になってるケイミーの肩を叩いて安心させるように言う。私だってみんなと戦いを乗り越えてここまできた、こんなところで大人しく捕まっていられない。と、思ったが…首にビリッ、とする衝撃と共に視界がブラックアウトした。
「うわああ!!やめてくれ…おれいやだ!!監獄の方がまだマシだ!!奴隷になんてなりたくねェよォ!!!助けてくれェ!!!」
突然聞こえてきた悲鳴に、はっ、と飛び起きる。ジャラ…と首に違和感を感じて慌てて首を触ろうとする…が、手錠をされておりそれは叶わなかった。どうやらビリッ、という感覚があることからスタンガンか何か食らったのだろう。周りを見ると、目の前の檻にケイミーが捕まっているのが見えた。ケイミーも同じく首輪と手錠をつけており、怯えて俯いていた。
「ケイミー!!ケイミー!!」
「…………なまえちん…………」
「ごめん、私が付いていながら怖い思いさせちゃって…」
「そ、そんな……なまえちんは何も悪くないよ!私が……」
「おいうるせぇぞ!!騒ぐな!!」
ガン、と檻を叩かれた。うるさいな、今ケイミーと喋ってんじゃん。ていうか、何で私だけ別の檻に閉じ込められてるの?みんなの背には番号が付いてるのに、私の背には何も書かれてなかった。改めて冷静に考えると、私の檻にはガラクタなどが乱雑に置かれていた。物置…もしや私、商品として出されない?いや、そうだとしてもケイミーだけは何とか……縛られていても氷でナイフ作れば…