第69章 世界貴族
「“天竜人”をキズつけたら、海軍本部の『大将』が軍を率いてやって来る。」
「え…!?『大将』!!?青キジか!!?」
「赤犬でも黄猿でも、誰が来るかわからねェ。本部はすぐそこだからな。」
「何でアレがそんなに偉いんだ!?」
「創造主の血を引いてる……800年前に『世界政府』という一大組織を作り上げた20人の王達。その末裔が“天竜人”。長い年月が権力を暴走させてる事は間違いねェ…」
そうか…世界政府を作り上げた人の末裔…確かに凄いけど、やっぱりどっちにしろ凄いのは祖先なだけであって、今生きるコイツらは何も成してないわけだから権力翳すのは違うくない?人生2回目の天竜人だけど、やっぱり嫌いだわ。
「そういやおめェ、“天竜人”を嫌ってるようだったが何かあったのか?」
「え?あぁ…うん。昔ね、大切な人を殺されたの。」
「奴隷だったのか?」
「ううん。記念すべき船出に、貴族の船の前を通ったからと言って船ごと沈めれちゃった。あいつらのことは、殺したいくらい嫌いだよ。」
ニッコリ、と聞いてきたパッパグに笑いかける。幼い頃に見た、サボの死。幼いと言っても私は心の中ではトリップする前の年齢だから子供ではなかったけど。何もできなかった。見てるだけだった。絶対に許さない、いつかサボの敵は…
「誰のことを言ってんだ?」
「さぁね。誰のことでしょう。」
「…?なんだそれ。」
「ルフィは知らなくてもいいよ。」
ルフィは幼かった。世界に殺された、とドクラは確か説明してたはずだけど理解はしてなかっただろう。エースはもしかしたら賢いから、漠然と理解はしてたかもしれない。今ルフィに、さっき見た“世界貴族”の誰かがサボを殺した犯人だって言ったら、何をしでかすか分からないから内緒。