第69章 世界貴族
「あれか?テンリュウ…………」
「おめェらもヒザをつけ。誰が来ても目を合わせるなよ!!あの飼い犬にも手は出すな。“天竜人”はもう後ろに来てる。」
「まあ、端のうアマスわ“サルウ”。」
「あいつらか……」
犬の後にやってきた、シャボン玉を頭につけている人達。あのシャボン玉がマスクか…割ってやろうかな。あの人達の後ろにもバカでかい奴隷がいる。
「やだお父上様。またいっこ壊れちゃったアマス。」
「鎮静剤はちゃんと毎日与えたのかえ?」
「やってアマス。おバカで効かないのアマス。また新しいの買って下さいまし。」
「まったくお前は“シツケ”が下手だえ。…………
私の船長コレクションを次々に壊しおって…」
「このコがダメなのアマス…家族家族と大の男が泣く始末。ただの人間のくせに…気分悪いアマス。」
ドンドン、と2発銃を撃った。あの大男、もう動かないっていうのに…思わず手に力がこもり水がシュワァァ…と冷気が漂う。
「あい…っ、」
「待て!!!頼む!!!お前もだ!!!」
飛び出そうとしたルフィを必死に止め、懇願するハチ。そして力が入ってる私にも念を押される。分かってる、天竜人に逆らっちゃダメなんでしょ。
「今度は巨人の奴隷がいいアマス。」
「お前は人間の子供から始めなさい。」
「弱いのはやだアマス。」
「………気分が悪くなっちゃった。」
「あいつ、助かるかな。海軍が連れてったけど…」
「海賊だから助かっても牢獄だろう。」
「あの海賊のやつ、あんなじいさんや女にくらい勝てただろ!!」
一騒動の後、私達は街から少し離れて休むことにした。相手が海賊だとしても、あんな目の前で人が撃たれて平然としていられるほど落ち着いちゃいない。