第69章 世界貴族
「ん?何の騒ぎだ!?」
「頼むよ!!!おい!!頼んでんだおれァ!!!」
「放してお願い!!死にたくない!!!」
「おい、誰でもいい!!!オノか!!ノコギリか!!何でもいい、貸してくれなァおい!!!この首輪壊すだけだ!!!危害は加えねェ!!!おれァもう“新世界”諦めたんだよ!!!故郷に嫁と息子(ガキ)がいるんだ!!!帰りてェ…なァ頼む!!手ェかしてくれ!!昔はガキが赤ん坊でよ!!あの野郎まだおれの顔知らねェんだ!!!」
何あれ…男の人がただ暴れている。いや、海賊だとしても様子がおかしい。何かに怯えている様子だ。大男の首には、大きな首輪が付いていて、どうやらそれを取りたいと大暴れしているらしい。切り離す…私の能力だったら行けるかな……何か女の人人質にしてるみたいだし…
「おい、関わるなよ!!」
「……っ、」
「あいつはたぶん人攫い屋に捕まって…売り飛ばされた海賊だ!!飼い主に連れてこられてこの島に来て、脱走したんだ!!逃げられねェってわかってるハズなのに!!」
「この首輪、これさえなきゃおれァ、」
ボンッ!!
ピピピ、と甲高い音が鳴り響き、大男は首から爆発した。大男は爆発をもろに受け、真っ黒焦げになって倒れた。
「奴隷はいつも鎖で首をつながれてて…鎖を外して逃げると、首輪は爆発する仕組みだ!!!」
「ひでェな…………!!」
「ちょ…ちょっとあの人!!助けた方が!!!」
「バカ!!何が起きても関わるなって約束したろ!!」
「うわああ、何だこの町〜〜!!!」
「はっちん!!どうしよう、“天竜人”が近くにいるよ!!」
「え!?これ“天竜人”の仕業なの…!?」
「麦わら!!ボンチャリから降りとけ。」
「え……?……ああ…わかった。」
つまりあの首輪を付けて、あの人を奴隷として買ったのは天竜人ってこと?奴隷制度だなんて、私の世界でもなくなったっていうのに…まだこの島には当たり前のように存在しているなんて。そして焦げだらけで倒れてる大男のところに1匹の犬がやって来た。