第69章 世界貴族
「『ボンチャリ』一台レンタルなら一日500ベリー。買い取りなら一万ベリーだよ、安いだろ?」
「欲しい!!おれ小遣いでコレ買うぞ!!」
「ニュ〜〜、やめとけ。買う意味ねェからレンタルで。」
「おいタコっぱち!!何でお前が決めてんだ!!」
「あとで理由教えてやるから。」
「何だよお客さん地元の人?参ったな。」
とりあえずレンタルで3種類のボンチャリを貰った。ルフィのようにシャボン玉の中に入って漕ぐやつや、シャボン玉の上に付けて漕ぐやつ、シャボン玉を横長に伸ばして大勢で乗れるやつと種類は多様だった。私は横長のハチが漕いでくれているシャボン玉に乗る。
「わあー、気持ちいい。種類も色々あるのね。」
「ボンチャリやっぱ買おう!!おれ。」
「麦わらおめー最初によ。シャボン玉に乗っかって空へ登ってったろ。何で落ちてきた?」
「あーー!!それがよ!!木のてっぺん超えて、もっと上まで行けんのかと思ったらな。周りのシャボン玉みんな消えちまって、おれが乗ってたのも急に割れちまって。それで落っこった。」
「それはシャボンディ諸島の気候空域を抜けたからだ。ヤルキマン・マングローブの生息に適した機構がここにはあって、その範囲を抜けるとシャボン玉の樹脂成分が充分に力を発揮できなくなるんだ。」
「そうなの……じゃあ、この島以外でシャボン玉自転車に乗る事はできないってわけね…」
「ニュ〜〜、そうなんだ。初めて来た奴らはよくボンチャリを買ってくんだけど……あれは悪い商売だな。ボンチャリはレンタルで充分だ。」
やっぱそういうことか。こんな便利なもの、外で使えないのはちょっと残念だな。まぁシャボン玉なんてどこの島にもあるわけじゃないししょうがないよな。