第69章 世界貴族
「『海軍』もハンパな奴はここにはいねェぞ。『海軍本部』そのものがこの近くにあるからな!!『賞金稼ぎ』もレベルに見合う猛者ばっかだ!!それともう一つ。」
「何だよもー、注意点ありすぎだよ!!」
「おれとケイミーは魚人でも人魚でもねェ。この島では“人間”として対応してくれ。」
「何で〜?」
「その方が都合がいいんだ。」
「………郷に入っては郷に従うべきよ、ルフィ。タコさんの言う通りにしましょ。」
ロビンのその反応を見て、ルフィほどバカじゃない私は一つの可能性に辿り着いた。“差別”。それは別にこの島に限った話ではないのかもしれないけど。ロビンと顔を見合わせて、そして黙ることにした。
「…そういえば、さっきシャボン玉に乗ったけど…何で割れなかったの?」
「ん?あぁ…それはな………」
あからさまに話を変えたが、ハチは何でもないように反応してくれた。さっきルフィと競争した時、普通はシャボン玉の上には乗れないはずだ。普通のよりもっと頑丈なシャボン玉なのかもしれない。聞いたらここの島のシャボン玉は、不思議なことにシャボン玉の中に入れるのだそうだ。ここではシャボン玉を使った乗り物や道具がたくさんあるらしく、そのうちの一つをまずは紹介してもらう。
「ギュ〜っと、ゆっくり押しつける。」
「むに〜〜、おお!!入れる、入れる!!空気抜けねェ。」
「うわー、面白ェ〜〜!!」
「ふしぎ。」
ゆっくり、ゆっくりとシャボン玉に顔を押し込んで中に入ることができたルフィ。中にも空気があるんだな…入れることが分かると、スルスルと体全体も中に入ってしまった。
「ホイ!じゃ、これ中に入れな。」
「こうか。」
「高さはそれでいいか?そのままこぐと進む。」
「お〜〜!!進んだ!!楽し〜〜〜〜〜〜!!」
お店のおじさんがルフィに何やら機械を渡す。ハンドルがあってペダルがあって、まるで自転車のようだ。シャボン玉の外側に取り付けて、ルフィがペダルを漕ぐと…まるで自転車を漕いでいるかのように進んだ。この感じ…すっごい懐かしい。