第69章 世界貴族
「じゃ、ここに船を着けよう。ここは『41番GR(グローブ)』。みんなこの番号を忘れるなよ!!島と島とは必ず橋で繋がってるから、番号を覚えとけば迷子にはならねェ。」
「それでも迷うやついるよな。」
「いる。」
「見んなこっちを!!」
ゾロは1人行動禁止として…ゆっくりとシャボンディ諸島へと足を踏み入れる。根っこの上にある街だとしても、普通に道歩いてるのと変わらないんだな。地面からシャボン玉が出ているのを間近で見る。
「うわーー、地面からシャボン玉が出て来た!!」
「どういうしくみ?」
「乗れた!!」
「わーー、いいなーー!!」
「ルフィ〜!!」
「おう!!」
出てくるシャボンに乗るルフィ。私も乗ろうと思ってたので、先に乗ってるルフィに声を掛ける。ルフィは私の意図に気づき、腕を伸ばして持ち上げてくれた。いいだろう、と羨ましそうにしてるチョッパーにちょっとだけドヤ顔して。
「なぁなまえ!上まで競争しようぜ!」
「よしきた!!」
たまにはこうやって年相応…うん、年相応に遊んでもいいよね。ルフィに続き、上へ上へとシャボン玉に飛び乗る。どうやらこの現象は、ヤルキマン・マングローブが根っこから分泌物を出し、呼吸することで膨らんで放出されるらしい。上に行くにつれて景色が段々よくなって、奥まで見渡せるようになってきた。上のほうがシャボン玉が光って見えて、とても幻想的だ。
「あっ…ねぇ!あれ遊園地じゃない?」
「ホントか!?……ホントだ!!おい、遊園地が見えるぞ、行こう!!観覧車乗ろう!!」
「遊園地〜〜!?」
「なァ!!遊園地行こうぜ!!観覧車乗ろう!!」
「うんうん分かった分かった。後で乗ろうね〜…え、」
遊園地と聞いて興奮したルフィを宥めるように頷く。しかしその瞬間、乗っていたシャボン玉がいきなり割れたのだ。乗ってたシャボン玉だけじゃなく周りのシャボン玉も…ルフィのやつもだ。足場を失くした私達はそのまま落ちていく。
「「わぁああああああああ………」」
「はっ、叫んでる場合じゃないわ…」
そうだ、私は雲を出せるんだった。慌てて体制を直してルフィと私の下に雲を発生させる。ボヨン、とトランポリンのように地面ギリギリで着地する。