第69章 世界貴族
「どうなってんだ!?あれは。下から上にフワフワと…次から次へ。島からシャボン玉が発生してんのか!?」
「誰が飛ばしてんだ?」
「そんなメルヘンな……」
「島から発生してるの。」
「してるのったっておめー。」
「…………何で?」
木とかが関係するんじゃないだろうか。シャボンディ諸島の木ってなんか見たことないような色してるし、毒持ってそうだし。ケイミーの返答を待っていると、ふと思い出したようにロビンが遮った。
「………あ、ちょっといいかしら話を割ってごめんなさい。“記録指針(ログポース)”は大丈夫?」
「あ、そっか。今指針は“魚人島”を指してるけど、この島で記録(ログ)が書き換えられちゃう事はない!?」
「ニュ!!それは心配ねェぞ。シャボンディ諸島は“樹”の集まりで磁力はないからな。」
「ありゃ島じゃねェのか!?」
シャボンディ“諸島”なのに島じゃないの?自然に生えた木ってことなのか。それにしても海から生えるわけじゃないのにこうやって島になるって…いや、この場合海底から伸びてきてるのか?そんなわけないか…どんだけ長い木なんだよって話になるもんね。
「マングローブっていう樹を知ってるか?」
「海の干満で根っこが水上に出たり引っ込んだりするやつか。」
「この場合、根っこは海上に出っぱなしだけどな!!シャボンディ諸島は世界一巨大な“ヤルキマン・マングローブ”という樹の集まり。」
「やる気満々グローブ〜〜〜〜〜!?やる気ありそうだなー!!おれもあるぞー!!!」
「樹は全部で79本。その一本一本に町や施設があって-------それを79の島から成る“シャボンディ諸島”と呼ぶ。“新世界”へ行こうとする航海者達が集う島だ。正面44番GR(グローブ)は民間の入口だから、ちょっと奥に船を着けよう。」
「近づくとでっけー根っこだなー。樹もまたでっけーな〜、シマシマだ!!アメみてェ!!!」
でもこんな大きい島だったら、マリージョアが近いって言ってたし…貴族がいたりするのかな?御用達…みたいになってそう、シャボン玉キレイだし。船を付けるべく島の中へと入っていく。