第67章 人魚ケイミー
「だけど心配…はっちんの声…随分弱ってた。きっと酷い事されたんだ………」
「まー、あいつも相当頑丈だから大丈夫だ。それよりおめェら、軽く引き受けてくれたが腕っぷしに自信あんのか?」
「うん、強ェぞ。」
「先に言っとくが、この辺りにゃ“人攫い”って裏稼業の集団が何十チームも存在する!!『シャボンディ諸島』という場所で人間の売買が盛んに行われてるからだ。」
「人間を売り買いすんのか!?…ひでェな。」
あっちの世界でも人人売買はあったって聞くよね。でも大体は貴族とかお金を持ってる偉いと勘違いしてる奴らの娯楽として行われてたみたいだけど。
「中でも『人魚』はい〜い値で取り引きされるから、“マクロ一味”って魚人の3人組はしつこくケイミーを狙って来る。タコ焼き屋のハチはたぶん…今回おれ達が海獣に食われて帰って来ねェのを、マクロ一味に攫われたと勘違いして乗り込んでったんだと思う。」
「うん…たぶんそう……はっちん優しくてまっすぐな人だから。私のせいだ。」
「…タコだのハチだの聞くと…おれはあのアホな魚人の顔が浮かぶ………」
「もし本人なら助けやしねェ……まァそんなわけねェが…」
やっぱりゾロもサンジも覚えてるんだ。まぁゾロは直接戦ったから覚えてるか。もし私達が思い浮かべてる魚人だったら…さすがに敵だから力になれないかもなぁ…
「いつもならハチの圧勝で片がつく所だがよ………噂の『トビウオライダーズ』が絡んで来るとは……」
「何だそれは。」
「最近急にここらの海でハバきかせ始めた人攫い集団の一つだ。狙われたら最期って評判さ…ボスは『デュバル』って名の“鉄仮面”の男…!!その素顔は誰も知らねェ。何でも人を探してるらしくてな。ここらを通る船全てチェックしてるって話を聞いた。」
凄い、パッパグって情報通なんだな。人攫い集団でもやっぱりどこに捕まったら終わり、とかあるんだね。人攫いが人探しねぇ…普通の人探しじゃない気がするけど、まぁ関係ないでしょ。
「まあ!とにかくよ、ケイミー!!心配すんな、“タコ焼き”は必ず助ける!!」
「“タコ焼き屋”だぞ。」
「うん、ありがとう。」
「ほんじゃブルック!!元気の出る曲聞かせろ!!」
「喜んで〜〜♪」