第9章 VS道化のバギー
路地へ曲がり、船へ向かう。追いかけてくる町民の方から犬の鳴き声が聞こえた。
「シュシュ!」
「犬っ。」
シュシュがみんなの足止めをしてくれているみたい。シュシュはシュシュで、何かルフィに恩返しをしてくれてるみたいで。
「ありがと…シュシュ。」
振り返えることはせずに、お礼を言った。それにしても、シュシュのおかげで逃げ切れたし、港にもついた。ナミはまだグチグチ文句を言ってるみたい。
「何で私達がこんな目にあわなきゃなんないの?」
「いいだろ別に。おれ達の用は済んだんだから!」
「そりゃそうだけどさ。」
ルフィはかなりさっぱりしてる。バギーをやっつけたのに、こんな仕打ちなんて…とかそういうのは望んでないみたい。シェルズタウンでもそうだったしね。
「これ、お前の船なのか?かっこいいなー!!いーなー。」
「そうは思わないけど私は。ばかな海賊から奪ったの。」
すっごい派手な船。きっとバギー一味の船なんじゃないの?………あれ?バギー一味の船って確か……
「待ってたぜ、泥棒女っ!!!」
「あ…あんた達は…」
「ここにいれば帰ってくると思ったぜ。」
「ぐっしっしっし。まさかこの港で盗まれた船に出会えるとは思わなかった。」
「おれ達を忘れたとは言わせねぇぞ…」
やっぱり、ここに案内してくれた3人組だ。じゃあ凄い航海術を持ってる女って、ナミのことだったんだ。
「知り合いか?」
「まあ…!ちょっとね。」
「ちょっとじゃねぇ、因縁の仲さ!!!仲間もいたのか、一緒におしおきしてやんなきゃなぁ………あ?お…お嬢さん…?」
「あ、あはは…さっきぶり。」
「てことぁ、……ゾロのだんなも…?」
「えっとぉ……ここに。」
「あぁ!?」
「「「…………ぎぃやぁぁぁあ!!!」」」