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異世界人の冒険

第67章 人魚ケイミー


ふと、聞こえてくる楽しげな音楽と声に意識が浮上する。この歌…聞いたことないはずなのに、歌ったことある気がする。もしかしてここの世界に来る前に私が歌ってたのかもしれない。『ビンクスの酒』、確かそうだったはず。重たい頭を持ち上げて起き上がる。被害者の会のみんなと、仲間達が互いに肩を組み合って楽しそうに笑って歌って踊ってる。ということは、クマはあの後何もせずに帰ってくれたんだな…ルフィも何事もなかったかのように元気だし。隣を見ると、まだ目を覚ましてないゾロが寝ていた。あの時…ルフィのダメージを全部食らったゾロを私の全体力を削って治癒したけど…本当にちゃんとできているのだろうか。私の治癒は外傷を癒やすだけで、クマみたいに痛みやダメージを弾き飛ばす能力はない。早く目覚めてくれるといいけど…

「ラブーンが元気で待っていてくれてるとわかった…影も戻った、魔の海域も抜けた…!!この貝(ダイアル)に蓄えたみんなの唄声は…もう私が一人昔を懐かしむ為の唄じゃない!!……これは、ラブーンに届ける為の唄!!!辛くない日などなかった…希望なんか正直見えもしなかった。でもねルフィさん…私!!!生きててよかったァ!!!本当に!!生きててよかった!!!今日という日が!!!やって来たから!!!あ、私仲間になっていいですか?」

「おう、いいぞ!!」

「「「「「さらっと!!!入ったァ〜〜〜〜〜〜!!!」」」」」

今そういう流れだったかな…みんなが一斉にツッコんで驚いている。まぁ何となく…一緒に戦ってた辺りから、どうせルフィが誘うんでしょうとは思っていたけどさ。

「「「「「でも歓迎〜〜っ!!音楽家♪音楽家♬死んで骨だけ音楽家♪念願の♪音楽家♬」」」」」

「「その軽さもおめーのいい所!!」」

「ハイッ!!骨だけにィ〜〜〜〜〜〜っ!!!」

「おんもしれ〜〜っ!!!」

このテンションの高さ…壮絶な戦いを終えたあとってことと、念願の音楽家が仲間になったことが重なったからだろうか。でも、楽しいからまぁいいか。やっぱり麦わらの一味はこうでなくちゃ。

「改めまして!!!」

「手配書!?賞金首なのかお前!」

バン、と床に置いたそれは手配書だった。紳士っぽくルフィに頭を下げ、忠誠を誓うように跪く。よいしょ、とベッドから出てルフィ達の元へと歩く。
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