第66章 2人目の七武海
「首を取るのなら私にしてよ!!」
「おいやめろ!!」
「“異世界人”……生け捕りとの命令だ。」
「だったら大人しく付いていくから!!仲間には手を出さないで!!!」
今とても情けない声をしてるだろう。必死にもなる、仲間の命がかかってるんだ。助けてほしくても誰も助けは来ない、来たとしても海賊と海軍なら味方にはなってくれないだろう。その時…
「なまえちゃん、君が犠牲になんてならなくていいぜ。」
「………ぁ…サンジ…」
「それと、おいクソヤロー………おめェが死んでどうすんだよ…!!ハァ…てめェの野望はどうした…バカ!!」
瓦礫からサンジが出て来た。ポンポン、と頭を私の頭を撫でる。状況は変わっていないはずなのに、少しだけ緊張が解れる。私とゾロの前に立つサンジ。
「……オウでけェの………!!こんなマリモ剣士よりおれの命とっとけ…!!今はまだ海軍はおれを軽く見てるが、後々この一味で最も厄介な存在になるのは…この“黒足のサンジ”だ。さァ取れ…ハァ…こちとらいつでも身代わりの覚悟はある………!!ここで“死に花”咲かせてやらァ…!!!」
「サンジ!!それじゃあさっきまでゾロがやってたのと変わんないよ!!……やめてよ、」
「……なまえちゃん、みんなには………よろしく言っといてくれよ…悪ィがコックならまた探してくれ……!!」
その瞬間、ゾロが刀の柄の頭を腰に当てた。峰打ちだろう。サンジはゾロの肩を掴んで睨むと、そのまま気絶してしまった。
「………ぁ…え、」
「後生の頼みだ…」
「ゾロ!!!」
「……これで“麦わら”に手を出せば、恥をかくのはおれだな。」
「恩にきる。」
だめだ。もうクマのターゲットはゾロになってしまった。立ってることさえ手一杯のゾロに、一味を負わせるなんて…