第66章 2人目の七武海
知ってるさ。エニエス・ロビーで政府が異世界人を欲してることは分かったから。でも、私は死ななくてもルフィは確実に殺される。いつでも動けるように戦闘態勢を取る。クマの手が迫ってきて、緊張でゴクリと唾を飲み込んだところで誰かの足音が聞こえてきた。
「“獅子歌歌(ししそんそん)”!!!!」
「ゾロォ……っ!!!」
驚いたが、それよりもゾロがいてくれる、という安心感の方が確実に高くて。完全に油断してたクマはモロにゾロの攻撃を受ける。切れて裂けた服から覗くものに息を呑む。機械だ。バチバチと切られたところに火花が散ってる。なにこれ…アンドロイド??
「………!?てめェ…ハァ、一体……!!…………………!?フランキーみてェな改造人間(サイボーグ)か…………!?いや…ハァ…硬度は鉄以上……!!」
今度は口を開けたクマ。そこからは物凄い眩しい光が……瞬時にこれはビームが出ると悟った。普通の人間からはビームはでない。ゾロは間一髪で避けたが、威力が凄まじく吹き飛ばされる。
「……………!!ハァ…ハァ…鉄が溶けた……………!!」
「改造人間(サイボーグ)……確かにそうだが、“サイボーグ”フランキーとはずいぶん違う。おれは“パシフィスタ”と呼ばれる、まだ未完成の政府の“人間兵器”。」
「パシフィスタ……!?」
「開発者は政府の天才科学者Dr.ベガパンク。世界最大の頭脳を持つ男…!!!奴の科学力はすでに…これから人類が500年をかけて到達する域にいるといわれている。」
Dr.ベガパンク…どこかで聞いたことがあるな。500年先ってどんだけ先に行ってる技術なの。というか、人間兵器って…クマよく承諾したな。自分で改造しなければならないなら分かるけど、他の誰かに改造されるとか私なら嫌だな。