第66章 2人目の七武海
「何やってんだ?ありゃ。変な形の大気の層が見える…どんどん縮むぞ。」
「“肉球”で弾いて…大きな大気の塊に圧力をかけてるんだ……あんなに小さく圧縮されてく…!!!」
「あれ程の大気が元に戻ろうとする力は……例えばものすごい衝撃波を生む。爆弾になる……!!!」
「……!?爆弾!?………要するに爆弾作ってんのか?」
大気の塊?何でそんなのみんな分かるの?でも、爆弾と聞いて身がすくむ。要するに、あの肉球が小さければ小さい程物凄い爆発が起こるってことでしょ。
「お前達の命は…助けてやろう。そのかわり、“麦わらのルフィ”の首一つおれに差し出せ。その首さえあれば政府も文句は言うまい。」
「…仲間を売れってのか…」
ルフィ1人の命でみんなが助かる。倒れてる自分の真上でとてつもない威力を秘めている爆弾を見て少し怯む。もちろんルフィを犠牲に出すなんて微塵も考えてない。だけど…他に、何か方法は…
「さァ…麦わらをこっちへ、」
「「「「「「「「断る!!!!」」」」」」」
一斉にみんなが叫んだ。仲間はもちろん、被害者の会一同、この場にいる全員が全力で拒否した。断れば死が待っているというのに、迷い無く断言した。眠ってるルフィに、私はこの状況なのに凄く感動してしまった。
「残念だ。“熊の衝撃(ウルススショック)”」
「…………みんな…」
断った瞬間、巨大な爆発が起こった。衝撃のせいで周りの瓦礫が飛び散り、当たったり埋められたりとで一人残らず倒れてしまった。でも、死んではいないだろう。私は元々気を失ってたルフィの元で氷のシールドを張り何とか掠り傷で済んだのだが…今思うと、ルフィを守るより仲間を守った方がよかったかも。打撃効かないんだもんね…
カツン…カツン…カツン…
みんな倒れて静かになったこのスリラーバークを歩いてるのは一人だけ。どんどんと近づいてくるその音に緊張が走る。誰も助けてくれない、下手したら大事な船長の首を取られるかもしれない。
「……!……何のつもりだ。」
「大人しくやられるわけにはいかない。」
「お前は生け捕りだ、“異世界人”…」