第66章 2人目の七武海
「ダメだ、もうあいつ無理だって、」
「これだけ戦えただけでもう奇跡だ!!」
「あのバカでけェオーズに死ぬ程の攻撃くらってんだぞ!!!」
「ゾロ、後ろだ逃げろォ!!!」
「っ、ゾロ…」
散々助太刀いらないみたいなこと言ってたけど、これはもう誰が見ても無理だって思った。ゾロのプライドが潰れようがどうだっていい、仲間を守ろうとするのの何が悪いんだ。…そう思ったんだけど、必要ないみたい。
「そこまでだ!!“粗砕(コンカッセ)”!!!」
「うおー!!!サンジーーー!!!」
「肉球でハジかれてねェぞ!!?頭蓋骨なんかバキバキだコノヤロー!!!」
サンジの強烈な蹴りがクマの顔面に決まった。これでちょっとダメージ入ってるだろう…と思ったが、倒れたのは攻撃したサンジだった。
「おあああああ……!!!」
「“黒足の…サンジ”…お前がそうか…」
「サンジの蹴りでビクともしねェ!!!どういうこったコリャ…」
サンジは蹴った足を抱えて悲鳴を上げていた。何もクマは攻撃をしてないところを見ると、そんだけクマの頭が硬かった、ということだろうか…でもいくら硬いと言っても人の頭には限度があるだろ…
「……!?何だ…!?コイツの固さ…!!!顔は鋼造りか!!?」
「ひ…ひ…!!!“火の鳥星”!!!」
「………“狙撃の王様”…大それた通り名だ…………」
ウソップの火の鳥星は軽く手で跳ね返される始末。そのまま火の鳥が襲ってきて、避ける。避けるついでに氷で道を作り、クマの顔面目掛けて水の衝撃波を出そうと手をかざした…が、反対側の手を持たれてそのまま地面に叩きつけられる。
「……っう…、」
「なまえちゃん!!」
「…やはりこれだけ弱りきったお前達を消した所で何の面白みもない…政府の特命は例外除くお前達の完全抹殺だが…」
いきなり両手を大きく広げて、透明な大きい肉球を細かく何かを押し込んでるような動作をし始めた。決して太陽の光を一心に受けようとしているポーズではなさそうだ。