第66章 2人目の七武海
「あ〜…どっと疲れと眠気が襲って来たぜ。コーラねェのか………」
「この島に入ってからの奇妙な生物や出来事は、全てモリアの見せた“幻夢(まやかし)”。あいつが倒れた今、この島には何も残っちゃいねェ…!!悪ィ夢から覚めた朝みてェに。みんな消えちまった…まったくタチの悪ィオバケ屋敷だった…!!」
朝日が眩しい。あんなにどこもかしこもオバケやゾンビだらけで怖かったのに、こんなに明るいともう出てきても怖くないだろう。膝の上に乗せたルフィの額に手を乗せながら思った。
「ルフィ……朝日がキレイだよ。」
「………おい、ルフィの奴さっき縮んでなかったか?」
「“巨人”のギアを使うと、使った時間反動で縮むんだって…」
「ルフィの新しい戦闘法、体に負担をかけすぎじゃねェか?この先の敵がもっと強力になるとしたら、こいつずっと無茶を続ける事になるぞ。…おれは心配だ…………」
「……そうだね。じゃあ私が、ルフィを守れるようにならないと…もっと、もっと強くならなきゃ……」
ルフィは強い。強いから、ついつい自分じゃ勝てそうにない敵でもルフィが勝ってくれるって思ってしまう。船長だから、ボスと戦うのは当たり前なんだけど…その簡単に勝ってくれるっていう信頼の裏には、当然ルフィの技への努力があるわけで。船長の暴走には、副船長が抑えるってのもそうだろうけど……船長の前に、ルフィは私の大切な兄だから、守りたい。
「ばっか、それでお前も無茶な戦い方したら意味ねェだろうが!!」
「いたっ……無茶するとは限らないでしょ〜っ!?」
ウソップにデコピンされた。最近なんだかウソップも兄に見えてきて…年齢がルフィと一緒だからだろうか…なんて考えてると、後ろから誰かが近づいてきた。
「もし!!」
「!!うおー!!ゾンビ!!まだ影が出てねェ奴がいたのか!?」
「イヤ、大ケガした年寄りじゃ。」
「紛らわしいな!!もうゾンビでいいだろ!!」
それは失礼だろ。確かにお顔がツギハギだらけで、私達が今まで見てきたゾンビ達とめっちゃ似てはいるけども。