第66章 2人目の七武海
仲間の悲鳴も聞こえてくる。見ると、小さくなって倒れているルフィまでもが消滅している。この短時間で半分消えてる。小さいからすぐ消えてしまうかもしれない。慌てて下に戻り、ルフィの半身を抱えて陽から守る。
「何でよ!!?勝ったじゃねェか!!!おい!!!間に合わなかったのかァ〜〜!!?」
「うわァ〜〜!!消えてく!!」
「ローラ船長!!みんな〜〜!!」
「勝ったじゃねェかよォ〜〜〜〜〜!!!畜生ォ〜〜〜っ!!!」
「はっはっはっは…いやあ………生きてたな、見事に。」
「一瞬天に昇る気持ちだったわ。」
「それもいいな。ロビンちゃんとなら一緒に天に昇りたいぜ!!」
「笑い事か!!!アホ共!!本気で死んだかと思ったわ!!!頭スッ飛んでたんだぞおめェら!!!」
ウソップの言うとおりだ。頭が朝日で溶ける、というより砂の様にサラサラと消えていたのだ。抱えていたルフィも、消滅していた上半身はすっかり元通りになっていた。まだ胸がドキドキ言ってる。仲間を……兄をまた目の前で失うところだった。
「朝日を受けて“存在”が消えかけたけど、間一髪影が戻る事で実体は再生した…」
「モリアが影を変化させて実体の形を変えたのと同じ理屈だろう。理解できるのは影と体は同じ形をしてるって事だけだが…」
「安心しろ、もう一生影が体から離れるなんて面白ェ事件は起きねェよ。」
「とにかく誰も消えずに済んでよかった。」
今誰も欠けてないからそんなこと言えるけど、万が一何かあったとしたら面白いなんて言えないよ。副作用で小さくなっていたルフィは、元の大きさに戻った。死んだように眠ってるけど、さっきの消滅している姿よりは何倍もマシだ。