第66章 2人目の七武海
「これは“洗礼”だ。ハァ…ハァ…てめェみてェな…若造が…この海ででけェ顔(ツラ)するとどうなるか…!!“七武海(しちぶかい)”に楯つくとどうなるか!!!世の中ってのァ…!!出る杭が叩き潰される様にできてんだ!!!分相応に生きろ!!!」
「ルフィさん!!?」
「ルフィーー!!」
「………あーあ、ボッコボコにされちゃってかわいそ……」
「…って何言ってんだおめェ!!!」
「イタっ…いやいやよく考えてみ?あれどう見たって…」
そう、仲間が叫んだり驚いたりしてる中、私は非常に冷静だった。あんな暗くて狭い空間に閉じ込められちゃってるのに、踏まれ続けてさぞボロボロになるだろうな〜、だなんて思ってたらウソップに軽くだけど頭を叩かれた。私にとっちゃ、何で今更みんな驚いてるの?って感じなんだけど。だってあれ、どっからどう見ても打撃じゃん。なんて、そう思ってると案の定ルフィは容易く箱を破って出てきた。
「若造だろうが出る杭だろうが…ハァ、おれは…誰にも潰されねェ………!!!ハァ、」
「潰されねェ………!?そう言いきる根拠の無さこそが…てめェの経験の浅さを…」
「ゴムだから。」
このよく言うルフィの言葉。ゴム人間だから、どんなに強くてもその攻撃が打撃であれば効かない。私後でサンジに泣きついてやろっかな、ウソップが叩いてきたって。
「ハァ、ハァ…すぐに全部吐き出させてやる………!!!」
ルフィが何ともないように起き上がったのを見て、海賊の皆さんが不死身かと喜んでいた。しかし朝日がいたるところから差してきて、ちゃんと影に隠れていなかった後ろの人達が燃え始める。
「うわァ!!朝日!!!」
「ぎゃああああ!!しまった!!」
「バカ!!しっかり日陰に入れ!!!消滅するぞ!!!」
「助けて手が…!!消える!!」
「早くカゲに!!もう中庭もやべェぞ!!!」
影がない人が朝日を浴びると消滅…って聞いてはいたけど…あんな風に燃えるだなんて思ってもみなかった。もっと砂が崩れ落ちるような…あのサラサラした灰のようなイメージだったから、ホラー感が増して怖くなってくる。