第65章 ナイトメアルフィ
「おい!!!デケェの!!!お前は一体何を踏み潰してるんだ?お前の足の下には誰もいねェぜ!!!」
「………助かった…」
「どなたか存じませんが、危ねェ所…」
「………?え?」
気づいたら、オーズの足元ではなく建物に座らせられていた。私達より数倍大きい人。両手には、私の後に攻撃されていたであろう2人が掴まれていた。でも、この人なんかその…親近感というか…変な違和感を感じる。
「誰だお前。」
「モンキー!!!D!!!ルフィだぜ!!!」
「え…!?ル……」
「「ルフィ〜〜!!?ど……どこが〜〜〜〜!!!」」
「似てるっちゃ似てる気もするが…本当なのか!?お前なのか!?」
「本当におれだぜ!!」
「いやその喋り方も……!!何があったんだよ!!」
ルフィに似ているといえば、服装、髪、目、それから頬のキズ……だけど、喋り方も何より背中の剣がもうルフィっぽくない。でも、この安心感は別人だとは思えない。
「……ル、ルフィごめん。もうオーズに勝てる気がしなくて…」
「みんなやられたのか…」
「ああ、おれ達以外みんなあの怪物ゾンビにやられた!!」
目の前にいるオーズが、ルフィの技であるライフルを構える。もう何が来るか分かるけど、避けられるかっていうのはまた別の話なのだ。
「来た!!」
「危ねェぞ、わかってんだろうがアレがお前の影の入ったゾンビだルフィ!!さらに体もゴムみてェに伸びてお前の技を使ってくる!!」
「“回転弾(ライフル)”!!!」
技が凄い勢いで飛んでくる。当たったらひとたまりもない。ウソップとナミは奥へと逃げるが、ルフィは逃げようとしなかった。咄嗟にルフィの後ろに回り込んでルフィを見上げる。すると…
「ルフィは、おれ一人だぜ!!!」
「「うわあああ〜〜〜っ!!!」」
あの巨体のライフルだ、相当な威力と重さがあるはずなのに…片手で止めた。ピクリとも動かない。普段のルフィならありえないけど、今のドーピングルフィなら……オーズの手を受け止めると、そのまま飛び上がってアッパーを食らわした。今度はオーズが吹っ飛んでしまった。