第65章 ナイトメアルフィ
「………?………なんか口に入った…」
「…何?今の…ウソップ……!!」
「や……やった!!し…!!!塩食わせてやったぞ〜〜〜〜〜〜!!!」
「凄い凄い、やった!!!」
ウソップと飛び跳ねて喜びを分かち合う。これでオーズが浄化して、ルフィの元に帰れば…モリアがいるという状況は変わらないけど、気持ちが楽になる。
「塩!?塩がどうしたの!?」
「そうか、お前知らねェのか…塩はゾンビの弱点なんだぞ!!」
「この塩をオーズに食べさせようと必死になってたの。」
「見ろ!!オーズはもう終わりだ!!!ルフィの影が出て来る!!!浄化しやがれ怪物ゾンビ!!」
オーズは白目を向いて口を開けている。口の中からズズズ…と音を立てて影が出て来た。このままルフィのところへ戻っていってくれ。しかし…
「……!!……………え!?何で??あれはモリアの影、」
「キシシシ!!体内からガードしたんだバーカ。」
その出て来た影は、モリアの影だった。とてつもなくムカつく顔でウソップが打った塩を持っている。中から影を出して塩が体内に入るのを阻止したのか…失敗と知ってウソップは膝をつく。あれが希望だったのに……せめてあの塩さえ取り返せれば、またチャンスを作ることができるかもしれない。私は影のモリアに向かって飛び上がった。
「よせ!!なまえ!!!」
「落とし物だぜェ!!!」
「わっ!!」
「「なまえ!!!」」
真正面から塩を投げつけられた。塩が直撃して氷から踏み外し、地面に背中を思い切りぶつける。塩でむせるやら背中が痛いやらで大変な思いをした。
「大丈夫か!?」
「ゲホ、ゲホッ……うえっ…」
「うわっ!!塩が!!!ブルッが集めてきた最後の塩がっ!!!畜生!!……!!畜生ォ!!!あの野郎、バカにしやがって…………!!!」
「キシシシシシ!!ぬか喜びしてめでてェヤロー共だぜ…!!弱点とわかってるものに対策もうたずにいると思ったか!!」
ウソップは地面に散った塩をかき集めている。痛む背中に手をおいて、私もウソップのお手伝いをする。もったいない、まだ使える、勝てなくてもいいから時間稼ぎを。そう思ったとき、横からオーズの巨大な足が吹っ飛んできた。