第64章 巨大なバケモノ

「“ゴムゴムのォ〜〜〜〜”」

「来るぞ！！！」

「“鐘”ェ！！！」


真ん中の塔から飛び降りたオーズは、首を伸ばして攻撃してきた。攻撃を入れるどころか、オーズからの攻撃を避けるので精一杯なんですけど…

「“槍”ィ！！！」

「…………！！くそ、どうなってんだ！！攻撃力が遙かに増した！！！能力者でもねェオーズの体がなぜ伸びるんだ、何をしたモリア！！！」

「キシシシシ！！そうだ、これがおれの見せる悪夢！！カゲカゲの能力(ちから)“影革命”！！！最高だろう！！？」

「革命！？」

カゲカゲの実……名前としてはシンプルだけど、こんな応用見せられちゃうと、七武海レベルだとこのくらいなのか…と納得してしまう。今はオーズを動かしてるから分からないけど、あいつ自体の強さは果たしていかほどなのか…

「“影”とは“実体”に追従するもの。これが『常識』……！！“実体”と“影”は必ず同じ形をしているもの…これが『鉄則』。だが今！！オーズに従うべきオーズの影は、おれの分身(カゲ)が潜り込み支配している！！おれは自在にオーズの影の形を変える。しかし！！実体と影は同じ形でなければならない！！！したがって“実体”に“影”があわせるのではなく、“影”に“実体”があわせて変化する！！これが“影革命”！！！」

「つまり常識とは逆で、モリアがオーズの手足の影を伸ばしたから、実体がそれに合わせて伸びたんだ！！！」

「じゃあオーズはゴム人間になったわけじゃなくて、変形自在の体になったのか！！勘弁して欲しいぜ、あの巨体で！！」

「このままじゃ全く近寄れねェ！！！」

オーズの動きに合わせてモリアの影が動いてるってわけね。オーズが死体動きじゃなくて、モリアが動かしたい動きをしてるのか…どっちにしても厄介なことに変わりはないわけだ。毎回思うけど、敵ってなんで自分の能力をこんな丁寧に説明してくれるんだろうな……フィクションだからか。いや、フィクションとか言っちゃ駄目やわ。

「キシシシシ、実際ゴムより厄介さ…！！！こいつの影を丸くすれば…オーズも丸くなる！！！“オーズボール”！！！キシシシシ！！！」

やっぱそうなるよね。影のせいでオーズを好きなように動かせるんだから……オーズは球体になり私達を襲ってきた。下敷きになったら私達は一貫の終わりだ。