第64章 巨大なバケモノ
「何て身のこなし…!!!時々忘れるぜ、あいつがルフィだって事!!」
「フランキーが危ない!!!」
オーズは空中にいるフランキーを回し蹴りして壁に叩きつけた。直撃だったフランキーは多分無事…とは言えないだろう。ズル…と地面に力なく落ちていってしまった。
「まだだオーズ!!わずかに息がある。とどめを刺せ!!」
「はい。」
オーズが踵を高く蹴り上げた。狙いは倒れて気絶してるフランキー。こんなのルフィじゃない…ルフィは絶対意識がない人間に追い打ちをかけるなんてことしないもん。
「オイ!!まだやる気か!!やめろ、もう動けねェ!!!」
「待って、間に合わない私が行く!!」
走り出したゾロとチョッパーを止めて、氷の上を滑ってフランキーのところへ行く。圧倒的な速さでオーズの下ら辺へ辿りついた時、聞き慣れた声と共に頭上に雲が現れた。
「“サンダーボルト=テンポ”!!!」
「わぁああああああ!!!!」
危機一髪、嫌な予感がして氷から飛び降りといて正解だった。オーズは上の雲から発生した雷を受けて倒れた。このまま行ってたら私も雷を受けてたかもしれない…ナイス、だとは思いながらもうちょっと気をつけてよ…と姿の見えぬナミに文句を言う。すっ転んでしまったが、すぐに立ち上がってフランキーを抱えてオーズの下から滑って立ち去る。
「“銃(ピストル)”!!!!」
「ナミ〜〜〜!!?」
ルフィの技名を言うオーズと、チョッパーのナミを呼ぶ声に振り向くと…何とオーズの手が伸びていたのだ。……え、あれ、オーズの腕って伸びなかったよね??とりあえずナミはロビンによって無事助けられたみたいだし、私はオーズの目の届かない安全地帯へとフランキーを移動させる。
「驚いたわね…大丈夫?ナミ…!!」
「ハァ…ハァッ、ありがと、お陰様で…!!」
「マズイ事が起きたぞ今…!!!」
「あいつの腕が何で伸びるんだ!!?ゴム人間はこの世に一人だろ!!!」
戻って来ると、みんなもオーズのいきなりの進化に驚いているようだった。でもこれはきっと…お腹の中にいるモリアが何かしてるんだろう。じゃないと説明がつかない。