第63章 その名はオーズ
オーズの体にルフィの影を押し込んだ。ズズズ、と不気味な音をたててゆっくりと入っていく。そして生唾を飲み込みながらオーズを眺めている。すると、大きな心臓の鼓動が聞こえ始め、そしてさっきまで動かなかった手が動き………死んでた目が蘇った。
「「「ぎゃああああァアァアァ〜〜〜!!!」」」
「え、ちょ、3人共!!」
「おいクマシー!!お前まさか海賊達をかくまって………!!!」
自分の心臓がバクバク言ってて、恐怖が最大限まできていたけど……私の代わりに3人が叫んでくれたといっても過言ではない。叫んだせいでクマシーから転げ、敵の目の前に出てしまう。
「し…しし…!!しまった、見つかったァ!!!」
「声が出ちゃった…!!!」
「悪魔が目覚めたァ〜〜〜!!!」
「あれはおいらの花嫁!!なぜこんな所に!?」
「海賊だぞ、捕らえろ!!!」
3人が狙われそうになった時、オーズが動いて鎖を引きちぎった。ほ、本当に大丈夫だよね?コイツ、ちゃんとご主人様の命令に従って動いてくれるよね?好き放題暴れ回られると困るんだけど…
「素晴らしい…!!!もはや芸術!!何という“威圧感”、まさに“魔人”!!!」
「肉〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!ハ〜〜〜〜ラ〜〜〜〜〜ァ、へ〜〜〜〜っった〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!サンジ!!メシ〜……!!んん?サンジって誰だ??」
叫んだだけでこの威力。多分外に出てたら吹き飛ばされてただろう。サンジって言ってる当たり、本当にルフィの影が入ったってことなんだろう。本人は記憶がなくなってるので、誰か分かってないようだけど。
「おい!!海賊達はどこへ!?」
「「「逃げました!!全速力で!!!すごい逃げ足!!」」」
「逃さん!!」
え、あ………どうしよう、置いてかれた…でもまぁここに隠れてる限りバレることはないことはわかったし、まだ1人隠れてるなんて思わないだろ。タイミングを見計らって逃げて、合流…できればルフィの影奪還、かな……
起きて早々オーズは耐えることなくご飯を食べている。次々とゾンビが運んできてくれるお肉が口の中に吸い込まれていく。凄い…食欲までルフィに反映されてるの?