第63章 その名はオーズ
影を…抜かれた…?さっきの会話から影を入れて動かぬゾンビを動くゾンビとして従えることは分かった。でも、影を抜かれたってことは…ゾンビから影を奪い返す方法もあるってことだよね。
「アブサロム…そういうマネができる男はアイツしか…!!」
「犯人は剣侠“鼻唄”です!!知らねー間に犠牲者も多数!!このままじゃ、また5年前の悪夢の再来に!!」
「くそ…敵にしてゾンビの弱点を暴いた唯一の男。一体なぜバレたのか……それにどうやって再びここへ!!?」
「話には聞いたがどんな奴なんだ?」
「ペローナ………!!お前あいつの姿知らねェのか!?…………!!それじゃ偵察の段階は素通りだな。ご主人様、厄介の種がまたこの島に……!!」
「んな事までおれが知るか、バカ野郎。お前らが何とかしやがれ!!!さァ、冷凍室へ行くぞ!!」
コイツ……自分から動かないで全部人任せにしてる。さっきも海賊王になる、じゃなくてならせろだったし。人任せだったら一生海賊王になれないよ。それにしても剣侠鼻唄ってやつ…次々とゾンビをやっつけてるのか…もし出会うことがあったら弱点教えてくれるかな?
「あの!!しかし現状はですね…」
「バカ、それを先に言え。ならば充分足止めできる。問題が起きたらまた報告しろ。さっさと麦わらを捨てて来い!!」
「了解!!(ラジャー)!!」
スパイダーマウスと呼ばれた蜘蛛が、気絶したルフィをどこかへ運んでいってしまった。船に戻すって、やっぱりすぐ殺すってわけじゃないんだな。それに反応してナミがクマシーから顔を出すが、ウソップが慌てて引き戻す。
「ルフィーーーっ!!!」
「バカ出るな!!影を取られて死ぬわけじゃねェ筈、ブルックがそうだった。今はまだ出られねェ…!!チャンスを待とう……!!ルフィの影をどうにかするらしい。ついでにそっちを見届けるんだ…後で取り返せる様に…!!」
そうだね、それにもし隙ができればルフィの影も取り返せるかもしれないし。私達はそのままクマシーの中で身を潜めて成り行きを見ることにした。そして今、冷凍室の通路を進んでるらしい。クマシーの中にいるおかげで全く寒くないが。