第62章 怪人3人
「フォス!!フォスフォスフォス!!」
絵画ゾンビから何とか逃げ切り、今は4人である部屋を覗いている。ドクトル・ホグバックの研究所だ。ビクビクしながら歩いていると、特徴的な甲高い笑い声が聞こえたのでそこへ行ってみたというわけだ。
「フォ〜〜スフォスフォスフォーース!!!もうすぐ完成だ!!この見事な役人形(マリオ)!!見ろよ!!シンドリーちゃん!!まさに…芸術(アート)!!天才の所業!!!」
「もう一息の所で失敗すればいい。」
「何言ってんの!?シンドリーちゃん!!!まったくおめェの暴言には毎度生き肝を抜かれるぜ!!」
「夜食を作りました。」
「あっ…!!あーそうか、今夜は何だ。」
「スープスパゲティです。」
「みるみるスープがなくなるぜ!?シンドリーちゃん!!」
「皿なんて絶え果てればいい…」
「いやー解るがよ、それを踏まえてなぜそう果敢なメニューを選ぶんだ!!」
袋の中からスープスパゲティを出すシンドリーちゃん。実験台の上に出すなし、とも思うしお皿は使わなくていいからせめてボウルかなんかに入れるとかしてくれよ、と思った。
「シンドリーちゃんもいる……!!本当に事故死したあの娘なのかしら…信じられない。」
「…あの台に乗ってんの何だ…?」
「たぶん人の死体だ……!!あの血色じゃ…生きてはいないよ。墓にいたゾンビと同じ様に…番号がついてる。」
「ねぇ…じゃああれって……もうすぐ完成って言ってたし……」
「えぇ、アレこそ今まさに生み出されようとしてるゾンビよ…!!この島にいるゾンビ達はみんなホグバックが蘇らせたんだわ…もうそれ以外考えられない。」
お墓にいたゾンビ達…そして腕についてる1つ1つの番号…ツギハギのマリオ。秘密裏に行われてるものを見てしまった背徳感。やっぱりあいつ悪い奴だったんじゃないか?
「………だけど、医学で救えるのは死ぬ前の人間だけだ。死者の体をどれだけ強靭に造りなおしても、命まで戻ってくるわけがないぞ。」
「考えてもわかるもんかよ。ここで覗いてればその生命蘇生の秘密が知れる筈だ。」
ウソップの言葉に頷いて覗きを続行しようとした時、後ろに誰かの気配がして振り返った。そこには刀を構えている誰かがいて…