第61章 ドクトル・ホグバックの屋敷
「せっかく泊めてくれるって言ってんだぞ。夜中外に出たらどうなるかくらい、お前わかるだろ!?おれ達はとにかく!!もうこれ以上動かねェ事だ。ルフィ達が必ず助けに来てくれる!!!いいな!!」
「おれもそうだぞ、もう二度と外へは出たくねェ!!森も墓もいやだ!!」
「中も外も同じよ。屋敷の中をちゃんと見渡した?廊下も部屋も…私の勘が正しければ…この屋敷はすでにゾンビだらけよ。」
「えっ!!?」
「ど…ど、どこにいたんだよっ!!!」
確かに言われてみれば…不気味な屋敷だとは思った。壁に飾ってある肖像画も、床も全部何か…ツギハギだらけだった。まさかそれもゾンビだっていうの?
「…じゃ、じゃあドクトル・ホグバックはもしかして……」
「そう、彼は嘘をついてる。あの男とゾンビ達に繋がりがなかったら、この屋敷や島で暮らしていけるわけがない!!とにかく今は気づかないフリをして、夜になったらここから逃げましょう。」
「……ぬぬ………!!どど…どうするチョッパー、この話本当なら。」
グルルルル…
「………なかなかかしこい女だ…」
猛獣の唸り声が風呂場に響く。…猛獣?お風呂に?ナミも不審に思ったのか、湯船に浸かっていた身体を持ち上げる。
「……聞こえた?」
「えぇ、何……!?ウソップチョッパー、何か言った!?」
「?…なんも言ってねェよ。」
何か言っててほしかった。ナミと顔を見合わせて少し顔を顰める。その時、また唸り声をあげながら近づいて来るようだった。そして、ナミが何かに引っ張られながら壁へ貼り付けられた。見えない誰かに手首を掴まれているようだ。
「あっ!!!」
「ナミ!?どうしたの……っ、」
「何これ……!!誰もいないのに…!!!」
「船にいた女より…ガルル…弱くて好みだ…」
誰もいないのに、声が聞こえる。何をされるか分かったもんじゃない。見えない分怖いけど、透明な人に蹴りを入れてみる。
「ゔおっ!!!」
「ナミから離れろっ!!!」
野太い声を出して少しだけナミを触る手が緩んだ…と思いきや、重い一撃を腹に貰いふっとばされる。透明な奴は男だ…変態め。
「貴様…おいらの花嫁になれ…!!!」