第61章 ドクトル・ホグバックの屋敷
「そうか、襲われたのか。よくここへ無事に辿り着いたな、何よりだ。質問の答えならこうだ。おれはあれらが何かわからねェからここに住んでる…!!!」
「じゃあ!ドクトルは今ここでゾンビの研究をしているのか!?」
「いかにも!!!確かにゾンビと聞けば人は恐怖する。しかし“死者の蘇生”と言い換えるならば!!そりゃあ全人類にとっての永遠の“夢”じゃねェか!!誰しも身近に生き返って欲しい人間の一人や二人いる筈だ…!!しかし人の生死を操ろうなど神をも恐れぬ邪道の医学…!!!だからおれはこっそりと世間から姿を消し、この不思議な島で研究を続けている。」
死者の蘇生…身近で生き返って欲しい人はいる。幼少期に亡くなったサボ。だけど、ゾンビとしては生き返って欲しくない。確かに禁忌の研究ではあるな。
「そ!!そういう事だったのか!!でもその研究は、成功すれば喜ぶ人は世界にいっぱいいると思うぞ!!おれは応援してるぞ、ドクトル・ホグバック。」
「柔軟だな、ありがとう。ドクトル・チョッパー。」
「え〜〜〜〜っ!?そ…そんなドクトルなんて言われても嬉しくねーぞ、コノヤローが。サイン貰ってもいいかー?」
「ああ、いいぜ!!」
「後で研究室を見せて貰ってもいいかー!?」
「絶対に、研究室は覗くな…」
リズムよくバンバンとドクトル・ホグバックに要求をするチョッパーだったが、研究室の話が出た途端雰囲気がガラッ、と変わった。そんなに見られちゃいけないものでもあるのだろうか。
「プリンをどうぞ。」
「え〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!ちょっとシンドリーちゃん、プリンくらい皿にのせてくれよ!!叶わねェのかこの願い!!」
べちゃ、と音を立ててプリンがテーブルに置かれる。皿がないのも気になるけど、素手でプリン触られていることも気になった。
「世界から皿なんてなくなればいい。」
「こういう時の為にテーブルクロスは死ぬ程洗ってあるから安心しろ!!」
「「じゃ、いただきます。」」
「スプーンは使っていいんでしょ!?」
テーブルクロスが綺麗だと分かった途端犬食いをしはじめた2人。いや…さすがに綺麗だと言われてもそうやって食べる気にはなれんわ。
「お風呂の準備したわよ。あんた達汚いから入ればいい。」
「あ、どうもありがとうございます!」